Dark blueの絵日記

ハロプロ関連の記事が主。後は将棋と猫を少々

裏番刑事

この物語は、2003年秋、娘。メンバーが15人体制の頃のお話です。


ケーキ紛失事件


川o・-・)「私のケーキはどこに行ったのぉ〜!(泣)


秋のツアーに向けて、娘。たちのリハーサルが行われていた。
食べ盛りの娘。たちにとって差し入れのフルーツ、お菓子、ケーキなどは
楽しみのひとつだった。
その日は美味しそうな各種のショートケーキが差し入れられていた。 
数はきっちりメンバー分の15種類の15個、だけだった。


メンバーはケーキを横目に見ながらレッスンスタジオに向かう、
いつもように希美はなつみにべったりとくっ付いている。


ケーキは娘。各自別々の休憩時間にそれぞれ食べた。


きびしいダンスレッスを受けていた5期メンの4人は自分たちの休憩時間になり
控室に向かった。そこには、差し入れのケーキが待っている。

特にあさ美はリハの前に控室で見たケーキのことがレッスンの間も頭から
離れなかった、


「苺のケーキがいいなぁ、いやチョコレートケーキも美味しそうだし、
モンブランもいいしミルフィーユも食べたい、でもあのパンプキンケーキに
しようかなぁ〜」
放っとくと全部食べてしまいそうな勢いである。


すると、夏先生があさ美を呼び止めた。

「紺野さん、振りのパコパコについて話があるの」
「ええー?!何なのですかぁ」


結局、あさ美は一番遅れて控え室に入った。


部屋に入ったあさ美は、茫然とその場に立ち尽くした。
楽しみにしていた、自分の分のケーキが無くなっていたのだ。


別の部屋に居た圭織と真里のところに、
あさ美の手を引いた里沙がやって来た。あさ美は泣いていた。

「リーダー、酷いじゃないですか!あさ美ちゃんが可哀相です!
何とかしてください!!」
里沙は、眉毛をピクつかせて文句をつけてくる。


「何とかしろって言われても、ケーキは15個しか、ないのだから・・・」
「だから、誰かがケーキを二つ食べたんです!犯人を突き止めてください!」
「でも、たかが、ショートケーキ一個で・・・」
「あさ美ちゃんにとっては、ケーキが食べられないのは大変なことなんです!」
あさ美は、泣きながらうなずいた。


「わかったけど犯人って、紺野以外の人のケーキが無くなったのなら
簡単なのだけど」
「そうだね・・・」
と、圭織と真里は、あさ美を見た。


里沙とあさ美が出て行くと、圭織は、


「矢口ぃ、私は忙しいから、この件はサブの矢口が調べてよ」
と、圭織は出て行った。


「もお〜、面倒なことはおいらに押しつけるんだから。サブリーダーはつらいね」
ふと、真里はドアの外から誰かが覗いているのに気がついた。


「誰よ!そこにいるのは!」
すると、れいなが入って来た。


「矢口しゃん、えらいやね。犯人ば調べるのは。うちも手伝いまひょうか。
こうゆうの好いとぉんとよ」
「え〜!田中さん、何を言ってるのかサッパリわかんな〜い」
「あ、すみません。ケーキを食べた犯人を調べるそうで。私も手伝いましょうか」
「ええ〜、手伝うって、ひょっとしてあなたが、食べたんじゃないの〜」
「そんな!めっそうも無い、うちら新人はどんなにお腹がすいてても、
先輩のものは食べないですよ」


「ふ〜ん、とすると誰かな、まず圭織は、まず絶対にそんなことはしないだろうけど。
新人の4人を外すと、すると・・・」
「何でも、無くなったケーキはパンプキンケーキというカボチャのケーキだそうですよ」
「カボチャのケーキねえ・・・」
「だから、あの大食いの人と、あと、カボチャの大好きな人がいましたね」
「れいなちゃん!あんたは、先入観でものを言うのは良くないよ!」
「すいません・・・」



真里は、れいなに手伝わせて、リハの合い間にみんなの聴き取り調査を行った。


「私は最初に、辻とよっすぃーと一緒に食べたよ」
と、圭織。
「私は、れいなと一緒に食べたけど」
と、美貴。
「私も藤本さん達の後に、絵里と食べました」
と、さゆみ。
「私は、真里っぺと、一緒に食べたけど」
と、梨華。
「私は、ののと二人で食べたよ」
と、亜依。
「え〜と、私は5期メン3人の前だったかな。残ったケーキはちゃんと人数分あったよ」
と、なつみ。
「私は里沙ちゃんと食べました、まこっちゃんはお手洗いで少し後で食べてたけど」
と、愛。


「私が最後に行くと、ケーキはひとつも残っていなかったんです」
と、泣きながらあさ美。


「どうやら、紺野さん以外で一番最後に食べたのは小川しゃんのようやね。
やっぱ、小川しゃんが怪しいんやないやろか」
「やっぱ、小川しゃんが・・・違う!れいなちゃん、証拠も無いのに、
まこっちゃんを疑うのは良くないよ!」
「すいません・・・」


じっと考えていた真里はある事に気がついてはたと手を打った。


「これで犯人というか、真相がわかったよ〜!」
真里は、満足げに言った。
「やっぱ、小川しゃんが・・・」


「違うね、まこっちゃんは犯人じゃない。同期の紺野のケーキを食べるはずがないよ。
いいかい、おいらは紺野のケーキは食べていない。リーダーの圭織も間違いなく違う。
そして新人のれいなら6期メン3人を除外すると、おのずと犯人はしぼられてくるよ」


れいなは、みんなの話を思い浮かべた、


「アッ!!わかった!、ケーキを二つ食べた人がおる!その人が犯人だっちゃ〜!」
「あ〜惜しいね〜、コナン君。違うんだな〜」
「うちはレイナですけど?」
真里はれいなにかまわず、
「確かにケーキを二つ食べた子がいる、けどその子は犯人ではない、どうしてか?
なぜその子は二つ食べることが出来たのか、それがわかれば、真相はすぐわかるよ」


れいなは首をひねった、


「全然わからんっちゃ〜、早く教えてとぉ〜」


真里はれいなに事の真相を語った。



「さすが、矢口さん〜県で三番目の学校を出ただけのことはありますね。」  
「あら〜、れいなちゃん、おだてないでよ〜」
「さすが、裏番ですね」


すっと、真里の目が細くなった。
「裏番って、何のことよ・・・」
「矢口しゃん、隠さんでも、ほんまの事ば言ってくださいよ。モーニング娘。の裏番は
矢口しゃんなんやろ」
「・・・・」


モーニング娘。は表で取り仕切るのはリーダーの飯田さんだけど、
裏でメンバーの揉め事や面倒な事を取り仕切る、裏番がおるそうやないですか、
なんでも、裏番は代々受継がれていて、矢口さんで三代目だそうで」
「なんで、そんな事新人のあんたが知ってるのよ」


「うちは、これでも地元では番を張らせてもろうておったけん、
それでスケ番とか裏番とかゆうのは、ニオイでわかるとよ」
「・・・・」
「初代は、多分、最初に卒業したあん人やろ。二代目は、去年の9月に卒業した人やろ」


「ちょっと、れいなちゃん、そんないい加減なことを他の人に言いふらさないでよ・・・」


と真里はれいなに鋭い視線を送る、
れいなは、真里の鋭い眼光に思わず震え上がって言った、


「はいっ、わかってます。誰にも言わんけん〜!」


真里はれいなが出て行った後、

「ふん、おいらが裏番なんて、まあ当たらずとも遠からずと言ったところね」



と、謎を秘めつつ、事の真相は解決編で。



裏番刑事解決編