Dark blueの絵日記

ハロプロ関連の記事が主。後は将棋と猫を少々

りんご 最終章

りんご 葉月その後


りんごは葉月に電話を掛けた。
あの後、明と結ばれて想いを遂げたのか気になって
仕方が無かったのだ。

 

「葉月さん!明さんに抱かれたんだよね!
明さんは抱いてくれたよね?!」

葉月は、しばらく黙っていたが、
「あのね・・・兄はしばらくじっと私を見てたけど、
『本気なのか、本当に俺に抱かれたいと思っているのか』

私は、本当です。お兄さんに抱かれたい。と本気で
思っています。と答えたの。
兄はしばらく考えていたけど、そして私は見て、
『わかった。それならお互い体を綺麗にしたから、
一緒にお風呂に入ろう』って言ったの」

りんごは大きくうなずいて、
「おおおーーー!ついにあいつは決心したのか!
抱く前に一緒にお風呂に入るってのは憎いね、
それでそれで~?」

「・・・それで、だってまだ少し恥ずかしいから
お兄ちゃんに先に入って貰って私は後から入る事に
なったの」
「うんうんうん。わかるわかる~」
と、りんごは興奮気味に言う。

「兄の入っている浴室に入る時、タオルで前を
隠そうとしたけど、でもすぐにお兄ちゃんに私の
すべてを見せるんだからやめたの」

「おおーーーーーその通りよ!」

「思い切ってガラス戸をガラリと開けて中に入ったわ。
お兄ちゃんは湯船に浸かっていて、顔を上げて私を見たの」

「うん・・・・」

「私ね、その時には恥ずかしいと思う気持ちよりも、
女としての自分の体を兄に見て貰いたいという思いで
意外に冷静になれたの。兄も私を見て、

『葉月、綺麗だよ』と言ってくれたの」

 「そうなんだ。良かったね。葉月さん本当に

綺麗なんだもの」

りんごは、豊かな胸の葉月の事を思い出して
自分も葉月の体を見たかったと思う。

「それで、もし私達が小さい頃から兄妹して暮らしてたら
こうやって一緒にお風呂に入ってたと思うと、
自然な気持ちでお互いの体を洗う事が出来たの」

「そうよ。小さい頃兄と妹が一緒にお風呂に入るのは
当然なのよ。誰だってそうなの」

「そして、最後には・・・」

「最後には?」

「その・・・一緒に湯船に浸かったの。すごい
せまいから、体のあちこちが密着したけど」

りんごは、その光景を思い浮かべて興奮した。

「お風呂から出た後、お兄ちゃんは私を
バスタオルで全身拭いてくれたの」

「その~胸も?」

「・・・胸も」
「そ、それで」

「それで兄は私をベッドに連れて行って」
「下着は?」
「何も着けないで。バスタオルを巻いただけ。
それからお兄ちゃんは私をベッドに連れていって
二人で腰掛けたの」

りんごは生唾を飲み込んで、
「それで・・・」

「私が巻いたバスタオルを外してしまうと、
お兄ちゃんは立って引出しから自分のTシャツを
取り出して、私に着せたの。背の高いお兄ちゃんの
だから、私の膝まであるの。それで言ったの、
『それは寝巻きにピッタリだな。今夜は一緒に
寝よう』って」

「はあぁぁぁ?寝よう。ってどういう事?」

「お兄ちゃんは私を抱き寄せて言ったの。
『俺は葉月の事を好きだ。愛してる。妹として。
さっき葉月の体を見たけど、すごい綺麗だった。
男だったら誰でも抱きたくなると思う。
俺だって男だ。抱きたくならない。と言えば、
嘘になる。でも葉月は俺の大事な妹なんだ。
俺の大切なこの世でひとりだけの大切な妹なんだ。
そんな妹を抱くわけにはいかない』
そう言ったの」

りんごは憤慨して、
「あいつは、スケベなくせに臆病なんだから!
りんごが許すって言ったのに!」

「わたし、りんごさんがいるからなの?って
聴いたの。そしたら、
『りんごの事は関係無い。例え俺が独身でも同じ事だ。
りんごを愛してる。葉月も愛してる。二人共同じくらい
愛してる。比べようが無い。それと抱くという事は、
別次元の話しだ。りんごを愛してるから子供が出来た。
葉月を愛してるからこれからも、大事に大切にしたい。
それだけだ』そう言ったの」

りんごはため息をつくと、
「後は、どうなったの」
「お兄ちゃんは私を寝てる間ずっと抱きしめてくれたわ」

「ふ~葉月さんはそれでいいの?」
「お兄ちゃんに抱かれる決心をしてたけど、
お兄ちゃんに『愛してる』と言われて嬉しかったわ。
葉月も兄の事を愛してる。と実感出来たから満足よ」

「・・・りんごも、明さんと葉月さんを愛してるわ」
「葉月も、りんごさんの事を愛してるわ」

りんごはスマホを切ると、
こうなってみると、これで良かったのだと思う。

この事があったから、としこと結ばれる事に
なったのだから大満足してる。ひとつ残念なのは
としこに子供が出来ない事だけど。

直にとしこも卒業するから、二人で一緒にライブを
したいなと思った。

 

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りんご 完

 

 これで「りんご」は完結しました。

宮本 佳林をモデルに「りんご」を書いたのですが、

仮名にしたのは、本名だと筆がにぶるような気がしたもので。

昔、ハロメンとプライベートで二人きりで出会ったら、たぶん

アイドルと知らない振りをしたらどうなるかと想像したので

それで書いたのですが。

前はかりんちゃんはそんなに好きでも無かったけど、

書いてる内にりんご、かりんが段々大好きになりました。

書くのが楽しくて、自作では一番好きな作品になったかな。

 

完結しましたが、また機会があれ続きを書くかもしれません。

それぐらい好きな作品でした。

 

読んで頂けた読者のお方には、お礼を申し上げます。

ありがとうございました。

 

 

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