Dark blueの絵日記

ハロプロ関連の記事が主。後は将棋と猫を少々

再会 2


再会






うみたまごの入り口付近は夏休みの
観光客の車で渋滞していた、
やっと、はずれの臨時駐車場に車を
止める。


「わあ〜、海がきれいだね〜」

夏の陽ざしの下に別府湾が見渡せる。

「じゃあ先に高崎山へお猿さんを見に行こうね」

高いアーチの陸橋の向こうに渡ると高崎山
そびえ立っている。


高崎山の猿の餌場は山の中腹にある。
歩いて5分なのだけど、かなり急な坂道と階段に
なっている。それで今年になって小さいけれど、
モノレールが完成して、お年寄りでもそれに乗って
行けるようになった。


なつみと希美も、お猿の絵が描かれたモノレールに
乗ってお猿のいる餌場へ向かった。
モノレールはゆっくりとした、人が歩くほどの速度で
登って行く。ものの2、3分ほどで到着する。


二人が降りると、すぐそこにお猿が待ち構えている。
モノレールから降りた希美は、足元にお猿が寄って
来たので、驚いてなつみにしがみつく。


「お姉ちゃん!怖いよ!」
「大丈夫だよ、なんにもしないよ、
ここのお猿は行儀がいいんだよ」


高崎山では年々観光客が減っていき、客寄せに
苦労している。モノレールなどの設置もその対策の
ひとつなのだ。


この日は夏休みだけに家族連れが多く
たくさんのお客さんでにぎわっている
お猿の餌場はお寺の境内を借りているそうで、
本堂や鐘つき堂もあります。


申し訳程度の柵やロープをで仕切ってますが、
これは人間を入れないようにしているだけで、
お猿は我が物顔で観光客の間を歩き回っています。


〝餌場〟と書きましたが、30分ごとに、小麦を与えています。
そして、群れごとに1日一度だけお芋を与えます。
お猿はお芋が大好きで、数百匹のお猿がお芋の
争奪戦を繰り広げます。


観光客の間を歩き回るお猿に希美は恐々と
なつみの手につかまっている。


「ここのお猿が行儀がいいのは、看板に書いてたけど
お客さんがお猿に絶対に餌をあげないように
徹底してるからよ。だからお猿も人間に手を出さないの」


「そうなんだ」
「ほら、今年生まれた赤ちゃん猿よ可愛いでしょう」


背中に子猿を乗せた、親子の猿が通りかかる。
「あ〜可愛いね〜!」


ところが、希美が子猿に気をとられているすきに、
一匹のお猿が後ろから、希美のハンドバックに手を
かけてぐいっと引っ張った。


「わあぁ〜〜!!」


希美はビックリして悲鳴を上げる。