Dark blueの絵日記

ハロプロ関連の記事が主。後は将棋と猫を少々

「タイムスリップ」

ミニモニ。の4人、ミカ、加護亜依辻希美高橋愛
らは、新曲のイベントのため、飛行機で大阪に
向かった。そのジャンボ旅客機が紀伊半島上空に
さしかかった時、異変は起こった。


「キャプテン!!前方に黒い雲が・・・」


コーパイ(副操縦士)が叫んだ。


その黒い雲に飛行機が突っこんだ時、強い光が
機を包み込み激しい衝撃が襲ってきた後、
飛行機は跡形もなく消え失せた。



加護亜依は、ようやく失神から目覚めた。
飛行機に乗っていて、強い光と衝撃で気を失ったこと
だけは憶えていた。


側には、ぼさぼさの頭で汚い着物を着た12、3歳の
男の子が、亜依を覗き込んでいた。

亜依は起き上がった、体はなんともない。


「ここはどこ・・・」


「気がついて良かったな、ここは伊賀の里だよ」


「伊賀・・・?」


そこへ、男が二人やって来た。


一人は、上は動物の皮のような物を着て下は袴で、
足首を布で巻いて縛っている、三十歳ぐらいの男
だった。もう一人も同じような格好だが、
白髪の老人だった。


「なんだ!こやつはおかしな物を着ておるな・・・」


壮年の男は亜依の服装、赤いセーターと緑のチェック
のスカートに不審そうな顔をした。


「まさか、くノ一じゃないだろうな・・・ことに
よると、信長の間者やもしれない。殺したほうが」


「エエ〜!?、そんな・・・」


「待てサイゾウ!、そこの娘どこから来た、名は何と申す」

白髪で白い髭の老人が聞いた。


「東京から来た、加護亜依で〜す」


「なに!、『とうきょうから来た、かごあい』とな、
これ娘、そこにどんな字か書いてくれぬか」


亜依は、地面に指で『東京の加護亜依』と書いた。


「何に、東の京だと!?、京は西に決まっておる、
ますます、怪しいヤツだ!」

老人はいきり立つサイゾウを制して、


「これ、サスケ、この娘はどこにおった・・・」


老人は亜依を助けてくれた男の子に聞いた。


「それが、不思議なことにそこの高い木の枝に
引っかかっていたんだよ、まるで天から降りてきた
みたいに。木から降ろすのが大変だったな〜」


すると老人は亜依に向かって、地面にひれ伏した。


「古い言い伝えによると災難が迫った時、神のご加護に
よって東から、天女が舞い降りて救ってくれると
言われておる。まさに、この娘がそうなのじゃ。
わしは三太夫と申し、この伊賀の里を治めている者の
ひとりじゃが」


「え〜、私は天女じゃないよ〜でも、多分、
飛行機から落ちて来たのだから、空から来たのかな〜」


「そうか、やはり天女だったのか」


「違うって!それに東京から来たって言ったけど
うちは生まれは奈良だよ〜」


「なに!それは、まことか。平城京生まれとは、
ますます、伝説の天女に間違いない」


「天女じゃないって言うのに・・・でも災難って
なんなの?」


「魔王がこの伊賀に攻めこんでくるのじゃ」


「魔王って?」


比叡山を焼き払い、数千人の老若男女を殺しつくした
魔王、信長のことじゃ」



どうやら亜依は、天正年間の戦国時代へ
タイムスリップしてしまったようだ・・・。



   
  「琵琶湖」



「ともかく、この里を守るのに手を貸してもらえないか」


三太夫の言葉に亜依は、


「協力してもいいけど、その前にミニモニ。
みんなを捜さないと、それに飛行機のジャンボに
乗ってた人たちもきっとこの辺に落ちてると思うんだ、
みんなを捜してくれたら協力してもいいよ」


「その飛行機とかジャンボとかは何なのじゃ?」


「ええ〜、あのね〜、とにかく大っきくて空を飛ぶの、
うちもそれで飛んで来たの〜」


戦国時代の人間にジャンボが何かを説明するのは
難しいことだが、


三太夫は考えていたが、やがて大きく手を叩いた。
すると、黒装束に覆面といかにも忍者らしい男が
高い木の上から音も無く飛び降りてきて、
三太夫の前に膝まづいた。


「信長の動きを探るため、あちこちに下忍どもを
走らせておるのじゃ、なにか情報を仕入れて
きたかもしれぬ」


その男としばらくひそひそと話していた三太夫は、


「何でも、京から帰った者によると、琵琶湖に
えたいの知れない、銀色の巨大な怪物のような鳥が
舞い降りたという噂があるそうじゃ」


「それって、きっとジャンボジェット機のことだよ!」


「何でも、その巨大な鳥の化け物はしばらくして、
琵琶湖に沈んでしまったそうじゃ・・・」


「えー!?、じゃ、乗ってたみんなはどうなったの!」


「どうやら、織田の家中の者が近くの城へ連れ
去ったようじゃ」


「じゃあ、ミニモニ。の三人も助かったんだ〜」


亜依はほっとして胸をなでおろした。



タイムスリップによって、戦国時代の大和上空に
放り出されたジャンボジェット機パイロットは、
必死になって着陸する場所を探したが、戦国時代に
飛行場などあるはずが無い。


さまよっていると琵琶湖上空にさしかかって、
決意して湖に不時着水するしかなかった。


パイロットの腕は確かで、見事無事に琵琶湖に着水した、
ジャンボには3百人以上の人間が乗っており、ただちに
いくつかの救命ボートに別れて脱出した。


全員が脱出した後、ジャンボはゆっくりと湖の中へ
沈んでいった。


ミニモニ。のメンバーは、どういうわけだか
加護亜依だけが伊賀へ飛ばされてしまった。


他の3人は、機内では一緒だったが不時着の
混乱に巻き込まれて三人別々のボートで、
それぞれの場所に着いた。



高橋愛の乗ったボートは琵琶湖の北東の長浜に
たどり着いた。


長浜は、当時羽柴秀吉が城を構えていた。


秀吉は、謙信を攻めるべく信長の命を受けて加賀
出陣したのに総大将の柴田勝家と衝突して、勝手に
軍を引き揚げてしまった。


そして、秀吉は死罪を覚悟で、安土の信長の元へ
出向いていて留守だった。


長浜城へ連れてこられた愛は、偶然秀吉の妻、
おねの眼にとまり、話しを聴いているうちに、


「おや、そなたは越前なまりですね」


もちろん、越前とは、今の福井のあたりである・・・。


ミカは、琵琶湖の南西、坂本の近くにたどり着いた。

坂本は当時、明智光秀の居城だった。

光秀は、丹波攻めに失敗し、再度攻めるべく
坂本で準備を進めている最中だった。


城内に連れて来られた者の中にいる、明らかに
他とは違う顔をしたミカに光秀は目を止めた。


ミカの明らかに日本人とは違う容姿に光秀は、
当時日本に来て信長の許しを得て布教活動していた、
イエズス会の宣教師の家族ではないかと思ったのだ。


そこで光秀はミカを、その年京都に建てられた
南蛮寺にいた、イエズス会のオルガンチーノの元へ
ミカを送る手配をした。



辻希美は、琵琶湖の南東の安土にたどり着いた。
安土城には織田信長がいる。


当時、安土城には北陸から勝手に軍を引き揚げた
秀吉が信長に釈明するため来ていた。


信長は、敵味方から悪魔のごとく恐れられていた。
自分に歯むかう人間は老若男女を問わず皆殺しに
して来た。


それがたとえ家臣であろうが容赦はしない。文字通り、
首が飛んでも不思議ではない。秀吉は生きた心地が
しなかったろう。


現に、秀吉が勝手に引き揚げたせいで北陸の
柴田勝家の軍勢は統率が乱れて、上杉謙信の軍に
痛い目に会っているのだ。


しかし、信長は秀吉を許した。両者の信頼関係も
あったのだが、信長は秀吉の利用価値を認めていたのだ。


ののちゃん、希美はあんまり勉強が好きではない。
だから、信長がどんな人間かまったく知らない。


ジャンボの乗員たちと共に、信長の前に引き出された、
希美はどうなってしまうか・・・。



名前:リエット 投稿日:2002年11月30日(土)04時05分45秒

ののたんが危ない。。。





  「ジャンボ」



突如、戦国時代に出現したジャンボジェット機
ことは、湖に近いお寺の古い書物に残されていた。


『琵琶湖上空に現れた、怪鳥の巨大さは天が隠れて
暗くなるほどだった。怪鳥は長く伸びた火を吐き出し、
ランランと眼を光らし、その叫び声は、何千、何万の
雷鳴が轟くようであった。人々は恐れおののき、
この世の終わりを告げる不吉な前兆だと、地面に
ひれ伏した。やがて怪鳥は琵琶湖に降り立ち、
湖面の底深く沈んでいった』


戦国時代の人間から見れば、ジャンボジェット機
とてもこの世のものとは思えないだろう。


琵琶湖に着水した怪鳥から出て来た人たちは、
安土城織田家の武士達から見れば、不審きわまりない
存在でしかない。岸にたどり着いた人々をさっそく
捕らえて城中に引き立てた。


信長も巨大な怪鳥に興味持ったが、すでに湖底に
沈んでしまってその姿を見ることは出来なかった。


その怪鳥から出て来た人間には大いに興味を示し、
すぐさま、何人かの人たちを自分の前に引き出す
ように命じた。


命令を受けた者は、何人かを選び出し、引き立てた。


辻希美は、槍や鉄砲で武装した兵士達に
引き立てられた恐怖から、客室乗務員のパーサーの
女性にしがみついた。
その女性パーサーも信長の元へ引き出されたので、
くっついていた希美も一緒に連れて行かれた。


連れてこられたのは、ジャンボの機長、客室乗務員の
男女1人ずつ、乗客の男性一人、それとパーサーに
くっついてきた希美の5人。


広間の真ん中に五人が座らされていて、その両側に
家臣たちが座っている。
やがて森蘭丸をはじめ小姓数人を従えて信長が入ってくる。


居並ぶ家臣はいっせいに平伏する。その中には、
許されたばかりの秀吉も加わっていた。


床の間を背にした上座にどっかりと腰を降ろした信長は、
機長ら5人をギロリと睨んでいたが、


「わしが右近衛大将織田信長じゃ!」


と、大音響で名乗った。


それにとまどっていた機長は、蘭丸にせかされ
気がついて代表で名乗り、着水したジャンボ機の
機長だと言った。


もちろん、信長には機長がどういうものか
わからなかったが、彼が怪鳥から出てきた人間達の
代表だと知った。そして信長は、おぬしらは
どこから来て、何者なのかと、問いただした。


その問いに、機長は困惑した。


機長自身も、タイムスリップで戦国時代に
突然放り出され、何がなんだかわからない内に、
安土城に連れてこられ、いきなり、織田信長が目の前に
現れたのだから無理も無い。
だいいち、自分達が21世紀から、ジャンボジェット機
でやって来たなどと言っても、到底信長には理解
出来るとは思えない。


それで、海の向こうから来た、などとあいまいに
答えるしかなかった。
その答えに信長は、ギラリと猜疑心のこもった眼で
機長らを睨んだ。


信長は、当時としては非常に進歩的な人間だった。
宣教師が持ってきた地球儀を見せられて、地球が
丸いことも理解したと言われている。
機長はちゃんと説明して事実を述べていれば、信長も
もしかしたら理解したかもしれない。


そうしなかったので、災難に合うはめになった。


それよりも、機長は目の前の信長に興奮をおぼえていた。


機長は歴史には多少の興味があった、それにテレビの
大河ドラマもよく見ていた。
信長が本能寺の変で、炎の中で切腹する場面を何度も
見てきた。後、数年後の天正10年の6月2日に、
信長は間違いなく死ぬことを自分達だけが知っているのだ。


だが信長に、あなたは明智光秀によって本能寺で
殺されると言えるはずがない。
下手に言えば、信長のことだからその逆鱗に触れて、
たちまち首が胴から飛ぶはめにおちいるだろう。


そんな緊迫した場面で、希美はお腹が空いていた。
朝食べたきりで、もう夕方になるのに何も食べて
無いのだ。それで、信長の側のたかつきに乗っている
美味しそうなお菓子に眼を奪われていた。


機長は、さすがに本能寺の変のことは言い出せなかった。
彼は、ちょうど40代半ばで信長と同年齢だった。
かねがね、信長がもう少し人に対して思いやりを
持っていたなら志し半ばでむざむざと斃れることも
なかったと考えていた。


それで、つい口を出してしまった。

比叡山のすべての寺を焼き払い、何千の人間を
殺戮したこと、一向宗や、人質の幼い子供たちを無残に
殺したことを上げて、そういうことを止めて自省する
ようにと、述べた。


それを聴いた蘭丸が怒って、

「上様に対して何にを不埒なことを言うか!この下郎め!」


信長も血相を変えて、立ち上がった。