憂佳じゃない！
彩花が女の子と歩いてた。うそ！憂佳じゃない、
でも憂佳は死んだはずなのに。
彩花に聞くとあの子はともこだと言う。ともこは憂佳にそっくりだった。
あなた憂佳でしょ？聞くとともこは笑い違うと言う。
確かに憂佳とは声が違う。福田さんの事は彩花に聞きました。
と言うともこの首にホクロが見えた。
朋子と花音が楽しそうに話してるのを彩花は見ていた。
やがて二人は手を振って別れた。彩花は声を掛けた。
花音はどぎまぎした。朋子って本当憂佳に似てるね。
花音は首を振って憂佳はもういないのよ。別にそんな事言ってないのに。
憂佳が亡くなって一年だね。憂佳の体はまだ見つかってないのよ。
あの夏の日、憂佳は沖に流されて行方不明になった。
花音は憂佳を救おうとして溺れたのを救われた。
私は花音も亡くす所だった。憂佳の代わりに私が死ねば良かったのよ。
誰もそんな事言ってない！ 二人とも大切な親友よ。
とにかく憂佳は亡くなったのよ。憂佳の体はまだ見つかってないのよ。何処かに、
日曜、朋子と遊園地に行く。
観覧車に乗ると朋子は高いのを怖がって花音の手を握ってくる。
お化け屋敷では花音に抱きついた。
手を繋いで歩いてると、さっきゆうかって言った。
言わないよ。言った、前田さんに似てるからって。
後でふと朋子には前田と教えてないのに、彩花が教えたのかもしれない。
彩花が、最近朋子と一緒にいるのね。朋子といると楽しい。
朋子とあまり深入りしない方が。なぜそんな事言うの？、
何か知ってるの。知らない。
朋子は何者？遠い親戚で知ったのは最近だけど、一年前に現れたそうよ。
憂佳がいなくなった時ね。なぜ深入りするなと言うの。
嫌な予感がするの。なぜ？
なぜだかよくわからないけど、嫌な感じがするの、
朋子は憂佳じゃないのよ。わかってるわ！憂佳は死んだのよ。
でも体は見つかっていない。朋子は亡霊とでも言うの。まさか。
焼いてるの？違う。彩花は好きよ。憂佳は？憂佳も好き。
朋子は？好きよ。私も花音が好き。朋子は？
わからない。
朋子と手を繋いで歩いていた。
何処の学校なの？N高校よ。進学校だ。
公園で花を見ていたら朋子が転んだの手を出したら引かれて地面にかさなった、
朋子の顔が目の前にあった、自然に唇が触れあった。
朋子の鼻にホクロがあった。起きると朋子の首のホクロを触った。
これ昔は無かったのだけど。そうなんだ
側の地面にミミズがいたのでつまんで朋子に見せた。
朋子は驚いて飛び上がった。怖いの？ミミズが平気なのは福田さんだけよ。
姉の友達がN高校なのを思い出して電話してみる。
テニス部の金澤さん？そんな子いないわよ。本当ですか！
なぜ朋子は嘘を言ったのだろう、でも朋子に聞くわけにもいかないし
朋子の膝で寝てた花音は目が覚めると朋子が覆いかぶさっていた。
その時首にちくりと痛みが走った。
彩花が、その首の痣はどうしたの？痣？朋子に噛まれたのかもしれない。
首を噛まれた？！朋子ってもしかして吸血鬼じゃ。
何馬鹿な事言ってるのよ、花音は笑った。
だって首を噛むなんておかしいよ。
憂佳は吸血鬼に助けられて吸血鬼になって生き返ったのよ。
漫画の見過ぎだって。
花音は朋子に、彩花が朋子は吸血鬼だって。私が吸血鬼に見える？見えない。
なんで私の首を噛んだの？首にキスしただけ。
彩花に、朋子は首にキスしただけって。痣になるほど吸うのは変よ。
彩花も吸われたい？馬鹿！
彩花は朋子を問い詰めた、あなたは吸血鬼になった憂佳なんでしょ、
花音に近づいて何をするつもりなの！
すると朋子は恐ろしい形相になって彩花に襲い掛かり首に噛み付いた！
止めて〜！！ 彩花は自分の悲鳴で目が覚めた。夢か。
朋子に夢中の花音の事が心配だった。何の目的で二人の前に現れたのか、
彩花は花音に聞いてN高校の生徒に電話してみた。
「テニス部に金澤という子はいないけど、辞めたのかもしれない、
同じ高校だけど知らない生徒も多いしね」
前田という苗字も家族に聞いたのかも知れない。
朋子は最近家族と一緒に外国から帰国したようだった。
朋子は吸血鬼でも亡霊でもないのかもしれない
朋子は花音と彩花に、「また父が外国に行く事になったの、私も一緒よ。
お別れね、短い間だったけど、二人と仲良くなれて楽しかった」
花音は泣きながら、憂佳行かないで！
「福田さんが私に似てる亡くなった前田さんの事を想ってるのはよくわかります。
でも私は私です。前田さんとは違います」
「これから前向きに考えてください。その方が前田さんも喜ぶと思います」
彩花は、そうね。あなたに会えて良かったわ。
「憂佳さんは福田さんの胸でいつまでも生きています」
彩花は花音を抱きながら、
きっと憂佳は朋子の姿を借りて花音ちゃんに最後のお別れに来たんだよ。
憂佳！さようなら
終わり
