Dark blueの絵日記

ハロプロ関連の記事が主。後は将棋と猫を少々

真里の病気


2002年の冬だった。
ハッピー☆ドリーム娘。のメンバーは、来る正月のハピコンに備えて
連日リハーサルに余念が無かった。


毎年正月早々に、ハッピー☆ドリーム娘。を中心とした、
ハッピー・プロジェクトの全員が終結するコンサートは、年頭恒例の
ライブで、もっとも華やかなものになる。


そんな中、ドリ娘。のサブリーダー矢口真里は相変わらずの様子で、
リハが終わって帰り始めたメンバーの紺野あさ美に声をかける。

「ねぇ〜こんこん〜今日は予定ないの、なかったらおいらと
ご飯食べにいかない?」
「はぁ・・・・」
「そうだ、焼肉でも食べようよ〜」
「は・・・でもあの・・・」


紺野は焼肉には魅力たっぷりなのだが、矢口には敬遠ぎみなのだ、
矢口の毒牙にかかりそうになるのは、1度や2度ではないのだ。


すると、そこに元ハピドリの裕子が通りかかる、

「コラッ!矢口!あんたはそこで何をやってんのや!」

矢口は裕子の声に思わず首をすくませながら、


「あら〜裕ちゃん〜いたの〜」
「いたの〜、じゃない!いるもいないも、さっきまで一緒に
リハをやってたんと違うの!」


裕子は紺野に向かって、行けという風に手を振る。
紺野はあわててその場を離れる。


「矢口、今日はうちの所に来るんや」
「あら〜裕ちゃんどういう風の吹きまわしなの、裕ちゃんの家に
行ってもいいの〜ことによると何か企んでるの」
「いいから、来るんや」


裕子は、真里の襟首をつかむと引きずっていく、


「待ってよ〜おいらはネコじゃないんだからぁ」
「ふん、ネコの方がよっぽど扱いやすくて可愛いわ」


裕子はタクシーをつかまえると自宅のマンションに向かう。


タクシーに乗ると、真里はうきうきした様子で裕子に甘えるように
しなだれかかる。


「裕ちゃんの所に行くのは久しぶりだなぁ、裕ちゃんたら最近
おいらに冷たいんだから」

裕子はそんな真里に一瞥をくれるだけで黙っている。


二人はマンションに到着すると部屋の中に入った、
さっそく、裕子の飼い犬のタロウとハナコの二匹が近寄ってくる。
しかし、二匹は真里を認めると、
ウ〜ウ〜とうなり声を上げる。しまいにはワンワン吠え始める。


真里は二匹に向かって、しっしっという風に手を振りながら、


「裕ちゃん〜!犬を何とかしてよ〜いつもおいらに吠えるんだよ、
裕ちゃんのしつけがなってないよ」

裕子は二匹を真里から遠ざけながら、


「犬かて人を見る目があるんやな」
「あっ〜!どういう意味だよ!」
「タロウとハナコは、こんな悪い子は家に入れるなって言うてるんや」
「もぉ〜おいらのどこが悪い子なんだよ〜」


裕子は真里の相手をせずにクローゼットを開けるとガウンを取り出し
着替え始める、ガウンはいつもの豹柄のやつだ。


上着を脱ぎ、ガウンをはおってソファーに腰掛けた時だった、
突然、後ろから真里が裕子の首に腕をまわして抱きついてくる。


「裕ちゃん〜!誘ってくれてありがとう!おいら嬉しいよ!」

裕子は思わず振り返りながら、
「なにするんや!いきなりびっくりするんやないの!」

真里は、振り返った裕子の唇に自分の唇を合わせてキスしてくる、
裕子はその真里を振りほどこうとするが、真里は裕子の首に
まわした腕に力をこめて離さない、
二人はもつれ合ってソファーにキスしたまま重なる、


しばらくして、ようやく唇を離して真里が体を起こす。
裕子の上になった真里は、しんみりとした口調で、

「裕ちゃん、おいら寂しかったんだよ。最近誰も相手にしてくんないし、
寂しくて寂しくて死にそうだったんだ、だからこんこんを誘ったの、
でも裕ちゃんが誘ってくれて、おいら本当に嬉しかった」


裕子は、下から真里を抱きしめると、


「・・・あんたには、もう何にも言えんわ。今日こそはあんたに
キツイ灸をすえてやって説教したろって思ってたんやけど、
もう、どうでもいいわ」


二人は、裕子が用意していた上等の肉を焼いて夕食にした。
いつのまにか、二匹の犬たちも二人の側に寄って来る。
もう真里に吠える事は無かった。


夕食を終えた二人は、お風呂に一緒に入ることにする。



二人は裸になると、バスルームに入った。
真里が湯加減を見る。


「裕ちゃん、ちょうど良いよ。入ろう」

いつもそうするように、真里はお湯に浸かると裕子の膝の上に座る。
ゆったりとお湯に浸かりようやく二人はリラックスした。



裕子は真里の腰に腕をまわしながら、


「矢口、娘。にまた新しい子が入るそうやな」


「うん、ドリ娘。6期オーデションも最終審査の合宿に入った
ところらしいよ、今度はどんな子が入るのかな」


「5期に続いて、また6期の可愛い子たちが入ってくれば、
あんたも早ようちょっかいを出したくて待ち遠しいことやろ」


「うん、どんな可愛い子が入ってくるかって思ったら、おいら
待ち遠しい〜ぐふっ〜」

「こら!よだれを出すんじゃない!もぉ何を考えてるんや」

「裕ちゃんごめん!おいらそんなつもりはないって」


裕子はもう諦めきった口調で、

「もうあんたの事は知らんわ。
ところで、新しい子たちが入ってくれば、また現メンバーの
卒業も近いんとちがうの、
まさかあんたが卒業するなんてこと、ないんやろ」


「そんなことないと思うよ。おいらはサブリーダーとしてまだ
やる仕事が残ってるしね」


裕子は、真里の体にまわした腕に力をこめた。


「真里・・・何処にも行かんといて、この頃怖いんや。
真里が、何処か行っちゃいそうで。何処か遠くに・・・」

真里は不思議そうな顔をして振り返って、


「裕ちゃん・・・なに変なことを言い出すの。おいらは
何処か遠くになんて行かないよ」


「浮気のひとつやふたつは許すから、何処にも行かんといて。
なァ、約束してぇな〜」


「今日の裕ちゃん、変。
はいはい、約束するよ。おいらは何処にも行かないから。
でもどうしてそんなこと思ったの?」


「なんやわからへん。けど、なんかこの頃胸騒ぎがしてしかたないの」


「そう。でも、自分では何処にも行くつもりはなくても、
急に心臓マヒで、コロッと何処か天国に逝ったりして」


それを聞いた裕子は血相を変えて、


「アホか!何にを縁起でもないことを言うてんの!!
真里が、死んだら・・・うちも生きてられへん」


「うちも生きてられへん、ってなに大げさな事言ってんの、
冗談だよ〜おいら簡単には死なないよ。もう元気いっぱいだし、
殺しても死なないっていうのはおいらの事だよ」

「そうやったな、真里はそうやったな・・・」

「でも、おいら嬉しいな、裕ちゃんがそこまで想ってくれてて」




風呂から上がり部屋に戻った裕子は、真里をベッドに倒すと、
何かを恐れるように、真里を激しく抱きしめた。


真里は、そんな裕子を受けいれ、裕子の髪を優しく撫でた。



それから三日後の午後、裕子の元に圭織が電話をかけて来た。


ちょうど裕子が出先から帰ったばかりで、
部屋に入った時、激しくなり続ける電話にあわてて駆け寄った、
今日は携帯を忘れて行ったのだ。


裕子が卒業して、リーダーを受け継いだ圭織は娘。たちを
率先して懸命に引っぱっていた時期だった。


圭織は裕子が出て、圭織です。と言った後少しの間、
息を呑んだように黙ったままで、
裕子は不審に思い、

「どしたん・・・」

圭織は、急に涙声になって、

「裕ちゃん、落ち着いて・・・聞いて」


「どないしたの、急に泣いたりして、落ち着かなあかんのは
あんたの方やろ、いったい何があったというの」

急に裕子は激しい胸騒ぎを覚えて、心臓が高鳴ってくる、


「矢口が、矢口が・・・」

「矢口が、どないしたんや〜!」


「矢口が、さっき急に倒れて、救急車で運ばれて行ったの」


それを聞いた裕子は目の前が真っ暗になった。

少ししてようやく気を取り直すと、

「それで、何があったか詳しく言ってや!
矢口はどんな具合やったの!」

圭織の話したところによると、
いつものドリームモーニング。という番組の収録の最中に、
ゲームで走り回っていた矢口が急に倒れて苦しみ始めたそうだ
そのうち、意識がまったくなくなり、救急隊が到着した頃は
顔色は真っ青になって呼吸もしていないようだったと、圭織は言った。



裕子は電話を切ると、ただちに真里が運ばれて行ったという
病院へ駆けつけることにした。


昏睡

中々タクシーがつかまらなくて、裕子のいらいらはつのり
羽があればすぐさま飛んで行きたい心境だった、

ようやくタクシーをつかまえて、シートに座っていても、
気ばかりあせり、早く早くと運転手を怒鳴りたいのを懸命に堪えた。

そして気がついて運転手にラジオをつけてもらう、
折りよくラジオはニュースをやっていた。


「今日午後三時頃、テレビの収録中に倒れて救急車で病院に運ばれた
人気アイドルグループ、ハッピードリーム娘。のメンバー矢口真里さんは、
以前昏睡状態のままで、今後の容態が心配されています」


裕子は、今のところ真里が生きている事を確めて一息ついた、
しかし、昏睡状態の真里の先行きはまったく予断を許さない状態のようだ。




三日前の事が、ふいによみがえって来た。


矢口がどこかへ行ってしまうのではないかという、
根拠のない不安な気持と、
まるで、今日のことを予感したような、
矢口の言葉が思い出された。


ゆう子は、強く頭を振った。 
矢口が、死ぬはずがない・・・。


体は、小っちゃくてもエネルギーのかたまりで、
パワフルで、人一倍負けん気が強くて、
何にでも向かって行き、そして
誰からも愛されていて、とっても可愛いヤツ。


そんな、矢口が死ぬはずがない。


病院に駆け込んだ時、出てくるメンバー達と
ぶつかる。


「中澤さん!」


眼を泣き腫らしたメンバー、亜依、梨華、愛らが、
ゆう子を見ると、しがみついてくる。


「どないしたというの!」


3人は、口々に訴えた。


「あんなに元気に走ってたのに」


「急に倒れて・・・」


「苦しそうに・・・息が出来ないって」


3人は、ゆう子にすがって泣き出していた。



病院に入り、集中治療室の外の廊下に行くと、
ゆう子を見てかおりが立ち上がった。


「ゆうちゃん!」


そこには、圭もいてゆう子にしがみつきながら、
思わず涙を流した。


ほかに、真里の両親と妹さんもいた。


「ゆう子さん・・・」


真里の母親はゆう子の顔を見ると、堪えていた涙が
こぼれ落ちた。




心室細動


「大丈夫や・・・大丈夫やて」

ゆう子はそれだけをくり返して、手術中の赤い
ランプが灯った集中治療室のドアを睨みつけた。


やがて、沈痛な面持ちでプロデューサーの寺内が
姿を現した。
真里の両親と小声で話している。


卒業してソロ活動をしている、真里と同期の
さやかも知らせを聴いて駆けつけて来た。


時間は刻々と過ぎて行き、午前0時近くなる。


ひとまず、家族だけ残して皆は病院の待合室に下がった。
やがて、寺内は帰って行った。


ゆう子は、人気の無くなった待合室で皆の顔を見た。

未成年のメンバーは帰り、残っているのは
リーダーのかおり、真里と同期の圭とさやか。
そして、元リーダーのゆう子。


「これで、やぐを愛したもん同士が揃うたな・・・」


そのゆう子の言葉に皆は顔を見合わせた。


「でも、一番やぐを愛してるのはうちやけど」


圭が口を開いた、


「私たち同期のきずなが一番強いと思ってるし、
だから私たちが矢口を一番愛してる思う」

さやかも、うなづいた。


ゆう子は、かおりの顔を見た。


「・・・私は本当に矢口を尊敬してるし、タンポポ
矢口と二人だけになった時、二人の結びつきが
強まったと思うんだ。
だから矢口を一番愛してるのは私かもしれない」


ゆう子はうなづいて皆の顔を見た。


「そうか、みんな矢口をほんまに愛してるんや・・・」


やがて、圭とさやかが帰り、残ったゆう子とかおりは
集中治療室前の廊下に戻った。


その時、入口のランプが消え医者が姿を現した。
皆の問いかけに医者は、真里の病状を説明した。


「矢口さんは運動後、心室細動を起こしたようです。
重度の不整脈が激しい運動により起こったものです。
心室細動は心臓の拍動数が急激に増え心臓から血液が
出されないため、すぐに意識を失い、数分で脳死が始まるとも
言われています」
 

「・・・・・」


「救急隊が矢口さんが倒れたテレビ局に到着したときすでに意識、
呼吸はなく、病院に到着した時には既に心肺停止状態で、
電気的ショックを与えて、心臓マッサージや人工心肺装置で、一時的に
心拍機能が回復したものの、再び機能停止の状態が続いています」


医者の説明が終わると、ゆう子が、


「なんやら難しすぎてさっぱりわからへんけど、
どうやの!矢口は助かる見込みはあるの!」


「今夜を無事持ちこたえれば、
かすかですが、希望はあります・・・」


医者は、沈痛な面持ちで答えた。



魔性


深夜を過ぎて、真里の母親と妹はいったん
家へ帰り、父親だけが残り待合室のソファーで
体を休めている。


ゆう子とかおりは、許可を得て集中治療室に
入り、真里の側に腰掛けた。
真里は、人工呼吸器を顔にかぶせられ静かに
眠っているように見える。


「かおり、疲れたやろ。ここはうちがいるから、
もう帰ってええよ」


「・・・大丈夫。ゆうちゃんこそ帰ってもいいよ」


「うちも大丈夫や、ふたりでやぐの側にいてよう」


しばらくして、かおりがポツリと言った。


「ゆうちゃん・・・さっき、矢口を愛してるのは
誰かという話になったけど、
矢口が愛した娘。たちが何人いると思う・・・」


「どういう意味やの・・・」


「文字通り、愛した数という意味だけど」


「わかった。で、何人いるの」


「ひとりを除いて娘。全員だって。もちろん、
私とゆうちゃんも入ってるけどね」


ゆう子は、うなづくと、


「そのひとりって誰やねん」


「明日香らしいよ」


「すると、明日香以外は全員お手つきなんや」


「そういうこと。さすがにまだ子供の5期メンには
まだ手をつけてないみたい。でも冗談で、成長
するのが待ち遠しいって」


「やぐの場合、冗談に聴こえへんわ」


「メンバーを総なめするのが目標だったりして」


アホか・・・」


二人の間に、少しなごやかな雰囲気がただよった。


「ゆうちゃん、矢口が入ってきた時のことを
憶えてる?」


「よく憶えてるよ。ほんまに小っちゃくて、
気が強くて生意気なところもあったけど、なんか
憎めなくてね」


「いつも楽屋や控え室で賑やかに喋っていて、
モノマネをしてみんなを笑わせていたね、
本当に楽しい子だったね・・・」


かおりの言葉に、ゆう子は、


「かおり!なんやねん!『楽しい子だった』って、
その言い方はまるでやぐがもう・・・やぐは
まだ生きてるんや!」


「ゆうちゃん、ごめん!そんなつもりは無かったの」


ゆう子を、真里の方を見て、


「ほんま、このやぐは呆れた子や、眼をさましたら、
うちが性根を叩き直したるわ・・・だから早く
眼をさましぃ。
なあ、やぐ・・・早く眼をさましぃな」


ゆう子はベッドに手をかけてしぼり出すように言った、
その眼から涙がポツリと落ちた。


「ゆうちゃん・・・」


かおりがゆう子の肩に手を置いた時だった、


部屋のドアが、ギィ〜と不気味な音を立てて開いた。


ふたりが、ビクッと顔を上げてドアの外を見たが、
そこには誰もいなかった・・・。




クッキー


かおりが立っていって、外を確かめたが
薄暗い廊下には誰もいない・・・。


誰も入って来なかったとすると、誰かが
出て行ったとしか思えない・・・。


集中治療室には、今、かおりとゆう子しかいない、
そして、真里。
二人は、ベッドの上の真里を見たが、
真里は眠ったままだ、


窓などまったくない集中治療室に、風など入る
はずがないのに、ドアがひとりでに開くはずが
なかった。


ゆう子とかおりは顔を見合わせた、
背中がゾクッとするほど冷たく感じて、思わず
ふたりは手を握り合った。



真里は、気がつくとベッドに寝ている自分を
空中から眺めていた。


あ、ゆうちゃんとかおりだ・・・。


ベッドの側にいる、ゆう子とかおりの上を
ふわふわと浮遊して行き、ドアを開けて
集中治療室の外に出た。
そのまま空中を浮遊しながら、待合室に出る、


あ、お父さんだ・・・。


真里の父親がソファーで仮眠をとっている。
真里は開いていた窓から、病院の外にでる。


真里は外の道路に降り立った、


やぐち・・・と、誰かが呼んでいる、


向こうに、白い服の女の人が立っている、
さかんに手招きをしている。


真里は、ふらふらとその女の方へ行こうとした、


その時突然、ワンワン!と犬の吠える声がした、
小さな白い犬が吠えながら走って来る、
犬に吠えられて、白い服の女は姿を消した。


その犬は、真里の足元にまとわりついてくる。


お前は・・・クッキー!




真里の妹のみきは、飼い犬のクッキーを抱いて病院へ
戻って来た、
タクシーを降りて、病院の前まで来ると、
突然、クッキーはみきの手から飛び降りると、
誰もいない、暗がりに向かって、ワンワン!と
吠え出した、


みきが追いかけると、クッキーはまるで、
誰かにじゃれつくような仕草をみせる、みきが
抱き上げても、さかんに振り返っている。


やがて、集中治療室にいた二人は、
ワンワンという声と共に白い犬が飛び込んで
来たので、驚いて立ち上がった、
閉めていたドアが、なぜかまた開いていたのだ。
すぐに、妹のみきが入ってくる。


二人もすぐにその犬が、真里の愛犬のクッキーだと
わかった。


クッキーはベッドの真里に近づくと、ワンワンと
吠えた、


その時、かおりは真里の目のまぶたがぴくぴくと
動くのがわかった、


「ゆうちゃん!矢口が・・・」


ゆう子がすぐにベッドの真里に顔を近づけると、
真里が瞬きをして、顔を動かした。


「かおり!先生を呼んで来て!
やぐが目をさました!」


ゆう子は叫ぶように声を上げた。






真里の前に3人の女の子が現れて挨拶をする。


新メンバーの、えり、さゆみ、れいなで〜す。
よろしくお願いしま〜す。
憧れの矢口さんに会えて感激してま〜す。


「そうなのォ〜3人とも可愛いね〜
よちよち、これからおいらにまかしなさ〜い
今夜あたり、焼肉でも食べに行かない〜」


『やぐ!いい加減にしいや・・・』


真里は、ゆう子の声が聴こえたような気がして
思わずあたりを見回したが、誰もいない。


「おかしいな・・・まあ、いいや、さあ
行こう、行こう」


真里は三人の肩を抱いて言った。


真里の、別の病気は治らないようだ。


     

       終わり。