Dark blueの絵日記

ハロプロ関連の記事が主。後は将棋と猫を少々

センチメンタル南向き

日曜日の朝。


「真里ちゃん、今日もあの人の所に行くの」
「うん。行くよ」
「何処か、行くの」
「今日は、行かない。ずっとあの人の家にいて、
お料理したり、洗濯したり、お掃除してあげるの」


「真里ちゃんのお料理が心配だな〜」
「あ〜、それを言うかな〜、おいらの料理あの人に
評判なんだよ」
「真里ちゃん・・・どうして、あの人を好きになったの」
「どうしてって言われても・・・」
「あの人、もう四十近いのでしょ」
「まだ、38歳だよ」


「真里ちゃんとは18も離れてるよ、それに
それに前の奥さんの子供も大きいのでしょ」
「それがさ、中一の女の子がいるのよ、
私より背が高くてさ、見上げちゃうよ」
「・・・それでいいの」
「好きになっちゃったんだもん、仕方ないじゃない」


「真里ちゃんだったら、他に素敵な人がいくらで
もいるのに、よりによってあんな人なんかと、
もしかして、同情では ないの・・・」
「同情なんかじゃない、それだけは言える」
「私は別に反対してるわけじゃないよ。ただ、
真里ちゃんのことが心配なの」


「ありがとう。あの人が好きなのは、おいらと
価値観が同じなの。年の差なんて感じたことなんて
無いの。あの人も夢を持っていることもわかったし」
「そうだね、真里ちゃんも夢を持ってるもんね」
「そうだよ。あの人の夢は、おいらの夢なんだ」


「真里ちゃん、今、幸せなんだ」
「そう。幸せ!とっても充実してる。
じゃ行って来るね。
あの人の良い所は、真冬の南向きの場所のように
おいらを暖かくしてくれることなの」


「そうなんだ」
「美樹もいつかわかる時が来るよ」


真里は妹に手を振ると出て行った。       


    
      終わり。