Dark blueの絵日記

ハロプロ関連の記事が主。後は将棋と猫を少々

二人の絆


俺は石川さんに、俺とリカの出会いから別れ、
そして再会して共に暮らし始めた、いきさつを話した。


石川さんはきっと顔を上げて俺を見ると、


「あなたはリカちゃんをお金で買ったのですか、
私、石川梨華の代用品として、クローンのリカちゃんを
お金で買ったのじゃないのですか・・・」



石川さんの問いに言葉に詰まってしまう、


「違います!違います・・・けれども、最初はそのつもり
だったかもしれないけど、大ファンの石川梨華さんの
代用品として、クローンのリカを買ったと言われても
仕方の無いことでした、
でも、送られてきたクローンは外見は石川梨華さん
そのものでしたが、中身は生まれたばかりの赤ん坊の
クローン・リカという女の子だったのです」


俺はリカという赤ん坊を苦労して育ててきたことを
石川さんに説明しようとしたが、言葉で言い表せない
もどかしさがあった。
石川さんは小さく首を振り、理解出来ないようだった。
俺とリカの絆は、ふたりだけがわかっていることで、
他人には理解できない事かもしれない。


他人と言ったが、リカの分身の石川さんは他人とは
言えないかもしれないが、
しかし、俺とリカから見れば他人かもしれない。
俺と石川さんは、しばらく押し黙ったまま向き合っていたが、
やがて石川さんは立ち上がり、
また出直しますと言って、出て行った。


少しして、俺がドアを開けて外に出て見ると、
向こうに石川さんとリカが一緒に並んでいるのが見えた、
リカが隣の綾ちゃんの部屋から出てきたところを、石川さんに
つかまったようだ・・・。


やにわに石川さんは、リカの手を引っ張って走り出した、
マンションの外に出ると、折りよく通りかかったタクシーに
手を上げて止めると、リカと一緒に乗り込む、


俺はあわてて外に出たが、タクシーは走り去った後だった。
俺はどうにも出来ずにタクシーを見送るしかない。