Dark blueの絵日記

ハロプロ関連の記事が主。後は将棋と猫を少々

制限


朝、目を覚ました。
住む所は、首都東京の郊外に高層アパートがいくらでも建って
いて政府から無償で入居が許されていた。
朝起きて顔を洗ってしまえば何もする事も無い。
まず電気ガスが止まっていて使えるのは水道だけだ。


主食の穀物の大部分の輸入先のアメリカから突然輸入が
ストップしたのは15年前だった。
地球温暖化による天候異変が原因だった。
30年前から日本は穀物の生産を止めて、すべて輸入に
頼ってきたのだから事態は深刻だった。
続いて、OPEC石油輸出国機構)からは原油の供給を制限
するという一方的な通告とともに、原油の輸入がそれまでの
十分の一以下にに制限されてしまった。
原油の埋蔵量の枯渇だと噂されているが、さだかではない。


現在、電気ガスは午後12時から午後18時までの一日6時間
しか供給されていない。
アパートの外に出て待っていると迎えの車が現われた。


原油に代わる動力として、電気自動車の普及が見込まれていたが、
蓄電池の劣化による航続距離の問題など技術的な問題が解決されず、
いまだに動力を主にガソリンや軽油などの石油製品に頼ってきた
せいで原油のほとんどが輸入されなくなると、
街から自動車の姿がほとんど見かけなくなっていた。
現在車を使えるのは政府高官などのほんの一部の人間達だけ
だった。


車で約1時間ほどで郊外の外れのそのビルに到着する。
その十階建てのビルは、1階は事務所になっていて、
2階は倉庫や厨房になっているようだ。
3階以上は住居になっているのだが、外から見ると3階以上は
窓がまったく無くて、なにか異様な感じがした。
入口には制服の男が立っていて、腰には拳銃を下げている。


あの女性、さゆみの住んでいる所は最上階の10階だった。
前日は顔合わせだけで帰されたので、今日から本格的に
さゆみと過ごす事になる。


10階に着くと、別の制服の男が現れて案内されて部屋に入る。
私が入ると分厚いドアが重々しい音とともに閉められた。
おかしなことに、そのドアは中から開けることが出来ないようだ。
まるで何かを閉じ込めているようだった。
中には、さゆみがいるだけだった。


起きたばかりらしく、ピンクのレースのネグリジェ姿のさゆが
姿を現した。さわやかな笑顔で私を迎える。



聖少女 2