すぐに朝食になってさゆと二人で食堂のテーブルにつく。
メニューは、バターをたっぷり塗ったトースト。ニンジン、
ジャガイモなども入ったスープ。野菜たっぷりのサラダ。
そしてベーコンエッグ。それにミルクとコーヒー。
ここ何年、見た事も食べた事も無いような朝食だった。
昨日までは朝に口に入れるものと言えば、水だけだった。
何も入ってない、只の水だった。
自分だけではない、ほとんどの日本人が同じだった。
デザートにはフルーツケーキまで出た。
いじ汚くそれらを全部平らげたせいで胃が重くなってしまう。
さゆはミルクを飲みながらそんな私をほほえましそうに
見ていたが、
「ねえ、あなたは生まれて何年になるの?」
「ぼくですか?ぼくは20歳になりますが」
さゆの年齢を知りたいと思ったが、女性に年を聞くのは
失礼だと思った。 するとさゆが、
「私は、生まれて14年と10ヶ月になるの」
その言い方になにか引っかかるものがあったが、
さゆがまだ14歳だということは意外だった。とてもそんなに
若いとは思えなかったのだ。
さゆは食後のミルクを飲み干すと、
「あなたをひと目見た時から、気に入ったの。
ついに私の王子様が現われたと思っちゃった」
私は思わず顔を上げてさゆを見た。