Dark blueの絵日記

ハロプロ関連の記事が主。後は将棋と猫を少々

コミュニケーション


いよいよ、ミニモニ。救出作戦が開始されることに
なった。


メンバーは、加護亜依ましらの麻里、その弟のサスケ。
指揮をとるのは、三太夫の指名で亜依が任命された。


麻里は不満そうだったが、いまだに亜依を天女だと
信じている三太夫の命令には逆らえない。
もちろん亜依は麻里に頼るしかないのだが。


3人で作戦会議が開かれた。
麻里は近江(滋賀県辺り)の地図を広げた。

ミニモニ。のミカ、辻希美高橋愛はそれぞれ
京都、長浜、越前と居場所はわかっている。


「京都のミカは問題ない。後は越前と長浜だよ、
越前の前田利家と女房のまつ殿は話しのわかる人
らしいから、正面から行けば高橋愛を返して
くれると思う。問題は長浜のだよ」


「え〜、ってなんなの?」
と、亜依。


というのは、長浜の羽柴秀吉のことだよ」
と、サスケが教えてくれる。


「いくらおいらでもこの相手では一筋縄ではいかないよ。
長浜を探ってきた者によると、秀吉は辻希美を大層
可愛がっていて、おいそれとは手離さないよ」


「ののは絶対うちが連れて帰るんだから」


亜依は力を込めて言った。


「それに、長浜には秀吉子飼いの忍者集団が
周囲を固めているから、城に忍び込むのは
並大抵の事ではないよ」


結局、一番難しい長浜の辻希美を最初に救出することに
なった。


出立の前日、麻里は再び亜依を山に連れて行った。


麻里は山のふもとに来ると指を咥えて大きく、
ピィッーー!!と吹き鳴らした。
すると、どこからかホォ〜ィ、と鳴き声が返ってくる。
そして、一匹の小柄な猿が姿を現した。


麻里は亜依に、


「得意の会話でこの猿が何歳なのか聴いてみて
くれるかい」


その猿は最初は初めて見る亜依を警戒していたが、
亜依が話しかけると、不思議そうな顔をしていたが、
すぐ亜依と話し始める。


やがて亜依は振り返って、


「このお猿さんは、生まれて五年目だって言ってるよ」


麻里は、渋々うなづいた。


「この猿は小さいけれど5歳といえば人間で言えば
17、8歳だよ、とても頭のいい猿だよ・・・」


亜依は麻里の言葉は聞かないで猿と話している、


「猿と話せる人間は珍しいって言ってるよ」


麻里は、むっとすると亜依と猿の間にわって入る。


「この利口な猿を育て上げて忍猿にするつもりだよ、
長浜にもこの猿を連れて行くつもりだ、のろまな
お前よりもよっぽど役に立つよ」


そして麻里は猿に色々話しかけてみるが、
猿はわからないという風に小首をかしげている。


その時、麻里は亜依に背中を向けて無防備だった。


それを見た亜依は、チャンスとばかり両手の人差し指を
合わせると、麻里の背後にそっと忍び寄る・・・。


カンチョウーー!!とばかり麻里のお尻目がけて指を
思い切り突き刺した! ぶすっとばかり、手応えを
感じたが、


「キィッーー!!?」


と、猿が亜依のカンチョウをまともにお尻に食って悲鳴を
上げる! 犬歯を剥き出しにして怒りまくる。


亜依は、アレッ?と辺りを見回して消えた麻里の姿を
さがすと、


麻里は、ふわっと亜依の後ろに舞い降りてくる。


「ふ〜ん、それがこの前言ってたカンチョウかい」


「あれ〜、聴こえてたの〜」


「当たり前だよ、忍者は百間離れた所の針の落ちる
音がわかるんだよ」


「ええ〜!百軒先の音が聴こえるんだ〜」


もちろん、一間は約1.818メートルのことで、
百間はその百倍ということになる。


「おいらの後ろを取ろうなんて百年早い!」


麻里は得意顔で言った。