リカは裸になると、バスルームへ向かった。
越してきたマンションの浴室は、前のと較べれば
格段に広かったが、やはり大人の体のふたりが
一緒に入ると少々狭く感じる。
俺が後から浴室へ入ると、リカはタイルに膝をついて
湯船に手を差し入れて湯加減を見ていたが、
あちち〜と手を引っ込める。
それを見た俺が笑うと、リカも楽しそうにに笑い出す。
俺が水をうめると、リカは買ってきたお湯をかき回す
棒で、一生懸命に湯船の中をかき回す。
上がり湯をかぶった後、湯船に二人で浸かる。
最初はリカと一緒に入浴することには、どきどき
ものだったが、あれから毎日のように一緒に入って
いると、さすがに慣れてきていた。
俺は、外ではリカを妹として扱い、家の中では
父親としてふるまっていた。
リカが精神的に大人になる、将来はわからないが、
今は、そういうふたりの関係は、それで上手く
いっていた。
リカはいつものように、俺の膝に腰を降ろすと、
黄色いアヒルのオモチャを手に取ると遊び出す。
最初にふたりで入った時から、そのアヒルのオモチャを
気に入っていて、俺が買ってきた他のオモチャは見向きも
しない。
やがて俺が好きなタンポポの唄を口ずさむと、リカも
一緒になって歌い出した。
「・・・好きです〜♪」
歌い終わると、湯船から出てリカの体を洗う事にする。