Dark blueの絵日記

ハロプロ関連の記事が主。後は将棋と猫を少々

クローンの休日 

俺とリカは、朝早く起き出して二人の弁当を作っていた。
今日は、リカと遊園地でデートなのだ。
昨夜その事を言うと、リカは大喜びで興奮したせいで、
夜遅くまで寝てくれなくて困ったものだった。


リカは俺に手伝ってもらいながら、弁当に入れる
から揚げや玉子焼きを真剣な顔で作っている。
それから二人でおにぎりを作る。
リカの作るおにぎりは形は不揃いだが、リカが
真剣に心を込めて作ったおにぎりは美味しそうだった。


そうしてバスケットに詰めた美味しそうなお弁当が
出来上がる。
とても美味しそうだね、と言うと、リカは本当に
嬉しそうな笑顔を浮かべる。


朝食をあわただしく終えて、リカの支度を始め
ようとした時、リカがもぞもぞと立ち上がって、


「ウンチ〜」


「・・・早く行きなよ」


リカはパジャマの下を脱ぎ、そしてパンツも下ろして
トイレに向かう、いつもそうなのだ。
お尻をぷりぷりさせてトイレに行くリカを横目で見て、
脱いだパジャマとパンツを洗濯機に入れると、
新しいパンツを出しておく。
ピンクの水玉の可愛いやつだ。
もう、リカの下着を買うのにも慣れた。


リカは、いつものようにトイレのドアを開けぱなっしに
して、プリプリと音を立てている・・・。
ドアを閉めようとすると、
怖いから嫌だと言うので、そのままにしている。


水を流す音がしたので、お呼びがかかるようだ、


「パパ〜!」


その声でトイレに行くと、リカは洋式便器から降りて、
お尻を俺に向ける。


リカがまだ赤ん坊で歩くことも出来なく、
何もかも俺が手伝ってやってた頃、
トイレは最初はオムツをつけさせたが、リカが
嫌がったので、仕方なくリカをかかえてトイレに
行かせるのが大変なことだった。
便器に座らせ、離れると泣くので側についてやり、
終ると、ペーパーでリカのお尻を拭いてやるのだ、


なんせ、中身は生まれたばかりの赤ん坊でも、
体は20歳の女性の体なのだから、最初の頃は、
リカのむき出しのお尻を見て、俺自身顔が真っ赤に
なるほど恥ずかしくてたまらなかったが、
それもそのうち慣れたのだが。


今ではリカは精神年齢は5歳ぐらいになり、もう何でも
自分で出来るはずなのだが、
いまだにトイレが終ると、俺にお尻を拭かせるのだ。
拭きやすいように尻を浮かせている、リカのお尻を
たんねんに拭いてやり、ペーパーを水で流す。
これが、毎朝の儀式みたいなものだった。


下半身何もつけていないリカを呼び、
俺の肩につかまらし、
足を上げさせ、新しいパンツを穿かせてやる。


その光景は、何も知らない他人が見たら奇異に
映るだろうけど、やってることは親が子供にする
なんでもない行為に過ぎないのだが。


俺が支度をしていると、リカは俺の腕を掴まえて
早く行こうよ〜とせがむ。
その前にリカの着て行く服を選ばないといけない。
リカは洋服ダンスの前であれこれ選んでいたが、
ある服を取り出すと、それを俺に見せた。


それは、俺とリカの思い出のピンクの洋服だった。
俺がリカに初めて買って上げたその服を、リカは
とても気に入り、最初のうちずっと着続けて
いたので、今では、擦り切れてよれよれになり、
あちこちほつれていて、ピンクの色もかなりあせていた。


俺がその服は二人にとって、とても大事な服だから
破れるといけないから、今日は別な服を着ようねと、
言聞かせると、
リカは、素直にうなずくと別な服を選んだ。
その服もピンクの花柄の可愛い服だった。
俺とリカは車に乗ると遊園地へ向けて出発した。


リカは助手席でとても嬉しそうにあれこれ喋り出す。
俺は、リカがクローン人間だとしても、マンションの
部屋に閉じ込めるような事をしたくなかった。
リカをひとりの人間として、外の世界を見せてやり
色んな物を吸収して早く成長してもらいたかった。


車を遊園地近くの駐車場にとめて遊園地に向かう。
遊園地に着いて、リカは大張り切りで俺の腕を引っ張って
どんどん歩いて行く。
リカと遊園地に来るのは2度目だった。
リカは遊園地の乗り物が大好きになったようだ。


やがて、嫌なものが見えて来た・・・、
ジェットコースターだ。
俺は高い所が大の苦手なのだ、はっきり言って怖い。
ましてジェットコースターなんて、恐怖としか
言いようが無い。
ジェットコースターに嬉々として乗る人の気が知れない。


ところがリカはジェットコースターが大好きなのだ。
嬉しそうにはしゃいでいるリカに嫌とは言えないし、
それにリカをひとりで乗せるわけにもいかない。
間中、キャアキャアと楽しそうに騒いでいるリカの
横で、俺はずっとリカの手を握ったまま目を閉じて
恐怖に耐えるしかなかった。
こうなると、どちらが保護者かわからない。


やっと開放されて、膝がガクガクでヘロヘロの
俺を、リカは引っ張って行く、
目ざとくソフトクリームの売り場を見つけたのだ。
売り子の女の子は、やたら小さくて茶髪だった。
リカは渡されたソフトクリームにさっそくかぶりつく。
売り子の女の子は、俺にもソフトクリームを
渡しながらウインクをした。
二、三歩行って気がつき驚いて振り返って見ると、
その女の子は手を振っている・・・。


その女の子は、元ハッピー・ドリーム。の真里だった。
本物の真里ちゃんがこんな所でソフトクリームを
売っているわけが無いから、彼女は真里のDNAから
再生された、クローン・マリリンに違いない。


マリリンと俺とは少なからず縁があった。
立ち止まった俺の手をリカが引っ張って行くので
仕方なく俺はその場を離れた、
クローン・マリリンが気になるが、後でなんとか
確かめて見たい。


リカに手を引かれて歩いていると、


「ジローじゃないか!」


突然、俺の名前を呼ばれて振り返って見ると、
山田だった。 女の子を連れている。
これはヤバイと、俺は焦った、山田はヲタ仲間なのだ、
以前は、ハッピー・ドリーム。のコンサートで
なんども連番したものだった。


山田は、リカをじっと見つめている・・・。