Dark blueの絵日記

ハロプロ関連の記事が主。後は将棋と猫を少々

さゆの段取り

「日曜日に後藤君とデートって、
どういうことやの!」
「今日、後藤さんからメールがあったの〜
お姉ちゃんをデートに誘ってくれたのよ、
私がちゃんと段取りを付けて返事をして
おいたから、
安心してデートに行ってらっしゃいな、
あ、デートコースは前に行った事のある
遊園地よ」


「だから〜!どうして、いつもいつもよけいな
ことをするのよ!
それに、私をデートに誘うのに、なんでさゆに
メールをくれるのよ!」
「も〜、お姉ちゃんは男の子の気持ちが
わからないの、
後藤さんは、無口でシャイな人なのよ、
直接お姉ちゃんに言うのが恥ずかしいから、
さゆにメールしてくるんじゃないの」


「とにかく、勝手に決めないでくれる!
デートなんて、行かない!」
「お姉ちゃん、16にもなってボーイフレンドが
まったく出来ないのは、その変な性格のせい
なのよ。ホント素直じゃないんだから」


「どこが変な性格や!わたしは普通の性格や」
「とにかく、後藤さんと言えば、私の命の恩人なのよ
私が海で溺れて死にそうだったのを助けてくれたのよ
そんな大恩人をあだやおろそかに出来ないわ」
「この前は、私が命の恩人だって言ってたくせに」


「もちろん、お姉ちゃんもキスをいっぱいして、
さゆを助けてくれたわね〜」
「だから、キスじゃなくて人工呼吸だって!」
「とにかく、お姉ちゃんだって後藤さんのことを
カッコよくて好きだって言ってたじゃない」
「そりゃあ、そうだけど」


「この頃よく後藤さんからメールがくるけど、
いつもお姉ちゃんのことを聴いてくるよ、
後藤さんもお姉ちゃんのことが好きなのよ」
「そうかな・・・」
「決まってるじゃない。そうだ日曜日は
朝から一緒にお弁当を作ろう、
男の子は美味しいお弁当を作れる女の子に
弱いのよ〜」
「・・・・」


愛は料理が苦手だった。


日曜日の朝。


二人は朝早くからお弁当をこしらえる。
さゆみは愛よりも張りきってお弁当を作っている。


いよいよ出かける時間になって、
「お姉ちゃん、第一印象が肝心だからね、
よけいな事を喋らないで、にこにこ笑ってる
だけにするのよ」
「どういう意味やの、大丈夫だって」


愛が玄関を出ようとした時、
「お姉ちゃん」
さゆが呼び止めた、
愛が振り返ると、


「後藤さんがお姉ちゃんの王子様になると良いね」
「うん・・・ありがとう」


愛は素直に答えた。
さゆの気持ちが嬉しかった。