Dark blueの絵日記

ハロプロ関連の記事が主。後は将棋と猫を少々

初日



ハッピー・ドリーム。
に新加入したメンバー、久住小春
安倍希美の二人の初披露でもある、ツアー初日の幕が
開く直前だった。
希美は袖にいたメンバーから離れて、
ひとりメイクルームに戻った。


希美は鏡の前に座り、自分の姿を見つめた。
その時ドアが開いて亜依が入ってきた、


「のんちゃん、どうしたの」
希美は振り返って、
「なんだか緊張しちゃって、それにメイクが気になって」
「生まれて初めての舞台だもん、誰だって緊張するよ、
私の時だって足がガタガタ震えたもん」


希美は鏡に映る自分の頬の痣に触れながら、
「これはこれ以上メイクのしようが無いもんね」
亜依は希美の肩に手を置いて、
「のんちゃん行こう。時間が無いよ」


突然希美の瞳から涙がこぼれ落ちた、


「のんちゃん・・・」


希美は手で涙を拭いながら、
「私っておバカさんね、すぐに舞台に立たなきゃ
いけないのにファンの前に立つのが怖いの、
自分がこんなに臆病者だって初めて知ったわ・・・」


希美をじっと見つめていた亜依は、あたりを見回し、
目についた口紅を手に取った。
そしてその口紅を、希美の頬の痣のまわりに塗る、
ちょうど星型にかたどる。


「前から思ってたんだ、のんちゃんの痣の形、お星さん
みたいだと思ってたの」
亜依は次に鏡を見て自分の頬にも口紅で星の形に塗っていく。


終わると二人で鏡を覗き込んで、


「ほら、お星さんがふたつだよ。いい感じだよ、
顔にペイントするのは初めてだけど素敵だよ!」
亜依ちゃん・・・」
「さあ行こう!みんなが待ってるよ」


二人は舞台の袖に行ってメンバーの輪の中に入った。


「いきまっしょい〜!!」



   終わり