Dark blueの絵日記

ハロプロ関連の記事が主。後は将棋と猫を少々

ピンチランナー

2017年春。

梨沙は、ある噂が気になっていた。
それは今日の日曜日に道重さゆみが復帰して現れるという
ものだった。その根拠は道重さゆみのブログに、
近くある事で皆の前に現れるかもしれない。
というニュアンスの書き込みがあったせいだった。

もちろん梨沙は道重さんのブログは毎日チェックしているか
ら十分に有り得ると思っていた。


その日曜日、梨沙に仕事が入り事務所のユニットがマラソン大会に
出場する事になり、その取材に行く事になった。
なぜ自分なのか疑問に思った。
それに日曜日なのにオフになっていたのに、自分だけが取材に
駆り出されたのだった。


道重さんの事が気になり、ずっとスマホTwitterを見ていたが、
まだ情報は無かった。


梨沙は大会のゴール地点に居た。
「市民マラソン大会」と書かれた垂幕が掛かっていた。
都下のある市の大会だった。
一緒のマネージャーの説明にも道重さんの事が気になり、
ほとんど耳に入らない。


やがてマラソンランナーが戻って来て、トップのランナーが
ゴールインした後続々とランナーが入ってくる。

次々と戻ってくるランナーの中に何人も見覚えのある顔を
見つけた。ハロプロでは無いが同じ事務所のユニットの
メンバー達だった。


その時、後ろから肩を叩かれて振り返ると、

「譜久村さん!どうしてここに?」
梨沙が思わず声を上げると、譜久村 聖は、


「山木さん、よく見て、ランナーの顔を。
あなたならわかるはずよ」

聖の言葉に、梨沙は直感してやって来るランナーの顔を
凝視した。するとあるランナーが近づいて来た。


その人とは、2年以上会ってなかったが、夢にまで見た、
忘れるはずの無い人だった。
道重さゆみだった
「道重さん・・・」


さゆは汗で顔をびっしょりと濡らしながら、懸命にゴールを
目指していた。


梨沙は大粒の涙を流しながらこぶしをぎゅっと握りしめながら、
声も出なくて前を通り過ぎて行くさゆを見つめている。


聖が、
「道重さん、同じね。いつもライブが終わった後、汗びっしょりで」


梨沙はうなづきながら、両手で顔を覆って泣いていた、
梨沙はさゆとライブで一緒に歌った事は無かったが、その様子は
何度も動画で観ていた。


その梨沙に後ろから誰かが声をかけてきた。


「山木さん、良かったね」


梨沙が思わず振り返ると、


「山木さんのブログの事は、さゆから聞いています」
それは、
亀井絵里だった。


梨沙が呆然と声も出せずにいると、

すると絵里は大きく手を振る。


見ると、さゆがやって来るのが見えた。

梨沙は、突然目の前が暗くなり倒れそうになる、
聖があわてて支えてくる、


梨沙は倒れこみながら、遠くでさゆの声が聴こえてくる中、
気を失っていた。


終わり。


この作品は、初夢で見たものです
目が覚める直前にさゆがマラソンで走っていて、その様子を
山木梨沙さんが見ていると言う不思議な夢でした。
とてもリアルな夢で、目が覚めてもはっきりと覚えていました。
その夢をふくらまして急いで作品に仕上げてみました。


恋い焦がれるさゆと再会出来て、おまけに憧れの絵里まで
現れたら、山木さんが失神するのも無理ないと思います。


タイトルの「ピンチランナー」は、2000年のモーニング娘。
メンバー主演の映画のタイトルをお借りしました。