Dark blueの絵日記

ハロプロ関連の記事が主。後は将棋と猫を少々

アイドルは悪魔の子供 四

翌日の早朝ダンスの先生と誉、あいこはスタジオに

来ていた。

他のメンバーにはまだ見せられないからだ。

誉は先生をあいこから少し離れた所へ連れて行き、

「先生、これからあいこに何をやらせるんですか?」

先生はあいこの方をちらっと見てから、

「とりあえず、あいこがどこまで高く飛べるかどうか、

確かめなくてはいけないの」

それから誉を見て、

「あなたはずいぶん背が高いわね。今どれくらいなの」

「その、一応公式では167となっています・・・」

「実際のところどうなの?正直に言って」

誉は少し考えてから、

「最近計ってないけど、170はあると思います」

先生はうなずくと、あいこを呼んだ。

あいこの身長は見たところ160くらいはある。

「あいこ、また飛んで見せて。それもただジャンプする

だけではなくて今度は誉を飛び越えて見せて!」

あいこは驚いて、

「リーダーを飛び越えるんですかー!?」

「そうよ!170ある誉の頭の上を飛び越えて見せて!」

「でも・・・・」

 

「でもじゃない!!あなたなら出来るわ。でないと

あいこはツアーを留守番するしかない瀬戸際なのよ!

いいから飛ぶのよ!」

「・・・・はい。わかりました。飛び越えます」

 

先生は大きくうなずくと誉の腕を取り一緒に並んだ。

そしてただただ唖然としている誉に、

「しっかり上を見てるのよ。万一あいこが失敗したら

誉の頭の上に落ちて来るから」

誉は体が少し震えるのを感じた。

あいこは、一瞬助走なしに飛ぼうとしたが、

思い直して二、三メートル下がってから勢いをつけて

から飛び上がった。

あいこは左足で踏み切って、右足を高く突き上げて
軽やかに飛び上がった。

そして余裕を持って誉の上を飛び越えて、ふわりと

着地した。

誉はあいこが飛び越えて自分の後ろに着地したのを

振り返って見た。誉は何事も無かったかのように、

静かに佇んでいる。

 

先生は興奮して、

「あいこは本物よ!!これで私の考える最高の振り付けが

実現するのよ!」

 

誉は自分の頭の上、数十センチ以上の高さで飛び越えた

あいこに驚くよりも呆れかえって言葉もなかった。

 

1,

アイドルは悪魔の子供。 - こんいろのブログ (hatenablog.jp)

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3,

アイドルは悪魔の子供 三 - Dark blueの絵日記 (hatenablog.com)