Dark blueの絵日記

ハロプロ関連の記事が主。後は将棋と猫を少々

アイドルは悪魔の子供 五

アイドルは悪魔の子供


ダンスの先生は、「虹を越えろ」の具体的な振り付けを
誉とあいこに話した。一番重要な部分は、

メンバー全員がセンターに立ったまま集合してその上を
あいこが飛び越えるという壮大なものになる。

先生はあいこに、
「あいこ。出来るわね!」

あいこは、少し考えていたが強くうなずくと、
「はい!出来ます」

問題は時間が無い事だった。
完成している「虹を越えろ」の振り付けを変更して、
今日と明日の二日間だけでメンバーに覚えて貰いレッスンして
完成させなくてはいけない。
あいこの飛び越える部分はゲネプロで行う事にする。

本来明日一日はメンバーの休養にあてがうはずだったが、
急遽取り止めて変更のレッスンをして貰う。

次の日に総仕上げのゲネプロをやって、その次の日は
初日の幕が開くのだ。

虹を越えろの振り付けをすべて変更するにはあまりにも
時間が無さすぎる。
だから、あいこが全員を飛び越える振り付けを、完成して
いる振り付けの間に挟み込むしかない。

先生は誉とあいこに、どの振り付けの部分にあいこの
飛び越える振り付けを挟むか説明する。
先生は昨夜は徹夜して振り付けを考えていたそうだ。

するとあいこは、その時のメンバー全員の立ち位置の
歌唱とダンスの状態を説明して、センターに集合させるには
混乱して困難があると言う。

先生が首をかしげていると、あいこはメンバーの名前を
いちいち誰々はの立ち位置はこうだ。誰々の立ち位置は
こうだ。と具体的に説明する。

それを聴いた誉は、
「ふ~ん、それだとあいこは「虹を越えろ」の全員の
立ち位置と振りを把握していると言う事になるの?」

あいこはうなずいて、
「もちろんよ」

先生と誉は思わず顔を見合わす。そして先生が、
「そうなんだ。その~まさか、あいこは全曲のセットリストの
全メンバーすべての振りと立ち位置を覚えているとか?」

あいこはうなずいて、
「もちろん、全部の曲を覚えています」と言い切る。

先生と誉は唖然として、黙り込んでしまう。

しばらくして先生は首を強く振ると、
「わかったわ」
そう言ってあいこと「虹を越えろ」の振り付けを
真剣に話し合った。


やがてメンバー全員が集合して来て、それにマネージャーが
現れると、先生は意を決して、

これはお願いでは無く強い要望だと前置きして、

これからゲネプロまでの二日間、振り付けを変更するため
メンバーに集中させるために、一切の仕事を入れないように
上の人に要求して欲しいとマネージャーに告げる。
マネージャー少し驚いていたが、うなずいた。

そして、メンバー達には集中するため初日までブログの更新を
しないようにと言い渡して、誉を見る。

リーダーの誉も大変だけど協力して欲しいと頭を下げる。
メンバー達はそれでわかった。と返事をする。