Dark blueの絵日記

ハロプロ関連の記事が主。後は将棋と猫を少々

報告


俺はリカと一緒にお風呂に入った。


リカは最近目に見えて成長著しかったのだが、
この日のリカは、また赤ん坊の頃に戻ってしまった
ように俺に甘えてきて、べったりと体をくっつけてくる。


風呂から出て食事になっても、まるで俺がどこかへ
行ってしまうかのように、俺の手を握って離さない。
ついには俺の膝に乗ろうとさえする。


やがて寝る時になっても、俺の手を握ったまま
中々寝てくれない。


「パパ・・・」


俺が顔を寄せると、


「お休みのチューして〜」


思わずリカの顔を見たが、いつもの甘えん坊の
リカにしか見えない・・・。
俺は、リカの額の髪を優しくかき上げると、
チュッと、おでこにキスした。


するとリカは、少し恥ずかしそうに布団をかぶって
しまう。
やがて、寝息を立てて眠りについた。


俺は握っていたリカの手をそっと布団の中に入れると
立ち上がった。


デスクにつくと、手紙を書き始める。



クローン人間のリカと一緒に暮らす事を許す
かわりに、俺に義務づけられたのは、


クローン人間の存在を絶対に口外しないことと、
一月に一度居場所と近況を報告することだった。


メールや電話では、漏れる恐れがあったので、
原始的だが封書の方が安全なのだ。


今日の遊園地での騒動を書かないわけには
いかなかった。
偶然、ふたりのクローン人間に出会った事と、
俺とリカがあの男達にしたことは書かないで、
男達が俺とリカを追って来たことに抗議をする。


逃げた二人のクローン人間の行き先は知らないと
書く。 事実、その通りなのだ。


あちらからの返事はいつもメールで届く。

大抵、『了解』 とだけ書かれている。


手紙を封筒に入れると、寝ることにする。


夜半過ぎ、リカの夜泣きで目がさめた。
この頃はめったにそんなことはなかったのに。


リカのベッドに行くと、泣きながら腕を伸ばしてくる、
俺がベッドに入ると、しっかりとしがみついてくる。


俺が髪を撫でてやると、リカは安心したように
眠りについた。