Dark blueの絵日記

ハロプロ関連の記事が主。後は将棋と猫を少々

クローン・リカ 4


朝になって、今日は会社に出なくてはならなかった、
もう、三日も会社を休んでしまっていた、
有休などというものは、とうの昔に使い果たしていた、
ハッピー・ドリーム。のコンサートに遠征するために、
休暇を願い出るたびに、上司に嫌な顔をされるのは
慣れっこになっていた、
出世などはまったく関心が無い、
娘。たちの顔を見て歌を聴くのが唯一の幸せだった。


電話で今日こそは出社すると言わざるをえなかった、
この不況の折、首にでもなったら大変なことになる、
リカを食べさせるためにも、仕事に行かなくては
ならない。


リカがよそ見をしてる隙にすばやく
外に出て、鍵をかける。
リカを残して行くのは不安だが、ここは
心を鬼にして行くしかない。


案の定、部屋の中で泣き声が聴こえる、
俺は耳をふさいで駆け出した。


会社ではリカのことが心配でほとんど仕事にならなかった。
5時なると、上司の声を無視して早々に帰る。


部屋の前で鍵を出していると、隣の部屋の男が
出てくる、
俺の部屋でうるさく泣き声がすると文句をつけてくる、
赤ん坊でもいるのかと言うので、
いや、猫ですよと、誤魔化しながらあわてて部屋に入る。


ドアを開けると、何かにぶつかる、
見るとリカが体をまるくして、まるで
猫のように横たわっている。


顔を涙でぐじゃぐじゃにして、泣き疲れて
寝てしまっていた。
俺はその場に座り込んで、リカの寝顔を
いつまでも見つめた。



「もう少し待っててね、すぐご飯にするから」


俺は台所に立ちながら、足にまとわりつくリカに
声をかける。


すると、リカは痒いのか頭を掻きむしりはじめる、
それを見てはっとなる、今まで避けてきたことを
思い知らされる、


リカを風呂に入れなくてはいけない・・・。


幸い、俺の部屋は風呂がついている。
家賃は高くなるが、無理をして風呂付の部屋にしたのだ。
前は風呂が無くて、遠くの風呂屋まで行くのが大変だった。


問題はそういうことでは無い、


ほとんど自分のことが出来ないリカを、ひとりで
風呂に入れるわけにはいかない、
当然、裸のリカの体を洗ってやらなくては
ならない、まだ、裸のリカを前にして冷静になれる
自信がない。


しかし、今夜は決心しないわけにはいかない、
髪もそうだが、体もオシッコの匂いなどでかなり
臭くなっていた、

リカはまだ赤ん坊なのだ、本当は毎日お風呂に入れて
やらなくてはいけないのだ、
今夜こそは風呂に入れてやることにする。


食事が終わりお腹いっぱいになって満足したリカは、
座っている俺の肩につかまり立ちして、なんとか
立ち上がろうとする。
しかし、まだうまくいかない。
でも、じきに歩けるようになるだろう。


言葉のほうは、色々話しかけてみるものの、
まだ、意味不明のことを喋るだけだった。
じきに、話せるようになるだろう。


また肩まである髪を痒そうに掻きむしり始める、
手足や顔は、濡れタオルで拭いてやってるが、
髪はそうはいかない、体も一段と臭くなっている。


俺は立ち上がった。


「さあ、お風呂に行くよ・・・」


リカは俺の後をはいはいしながらついてくる、
脱衣場のドアを開けて、振り返った、
リカはなぜか入り口で止まってしまう、
俺が側まで戻ると、少し不安そうな顔で
俺を見上げている。


リカが来てからは、会社へ行っている以外は
四六時中、顔をつき合わせているせいで、その表情や
仕草で彼女の気持ちがわかるようになっていた。


その逆で、彼女も俺の表情や仕草で俺の感情を
感じとっている気がする。
リカの不安そうな表情は、俺の不安定な気持ちを
敏感に読み取っているような気がした。


俺はリカの顔を見ながら、強く自分に言い聞かせた、
リカは俺の生まれたばかりの娘なのだ、
俺はリカの父親なのだ。


梨華そのものの顔と姿態を見て、女を感じないと
言えば、ウソになる、
しかし、何も理解出来なくて無抵抗なリカに、
本能のままにケダモノのようにふるまうなど、
死んでもやってはならないことなのだ。


やがてリカは、まるで俺の気持ちを察したかのように
自分からバスルームの中へ入って行った。


俺は脱衣所で、彼女を座らせると着せていたTシャツを
脱がせる。
リカは、素直にバンザイをしてTシャツを脱がされる。
その下には俺のランニングを着せていた、
ブラジャーなど無いので、くっきりと胸のふくらみと
乳首が浮き出ている。
今度、替えの下着と一緒にブラも買ってこないと。


ランニングを取り去ると、結構豊かな乳房があらわになる。
ふと、俺はあることに気づいた、
どうして今まで気づかなかったのだろう、
リカの肌が雪のように白いのだ。


本物の梨華は、浅黒い肌をしている。
梨華は、口では気にしてないような風だったが、実際は
自分の肌が黒いことを悩んでいるみたいだった、


それが、梨華のDNAから再生されたクローンの
肌が真っ白いわけは、どういうことなのだろう。


まるで、梨華の願いがクローンのリカによって
実現したみたいだった。


俺は、リカの足からジャージのズボンと下着がわりの
トランクスを抜き取った。
素っ裸になったリカは、俺の後に続いて風呂場に入った。
俺はパンツだけは身に着けていた。


風呂場は俺ひとりだけでも狭く感じる、ましてふたりでは
窮屈でしょうがない。嫌でも体が密着する。


俺は浴槽の蓋を取って湯加減を見るため手を入れてみると、
少し熱いようだ。


リカは、浴槽のへりに腕をかけると、
いきなり手をお湯の中に突っ込んだ、


!!!


熱かったのだろう、顔をしかめ、大あわてで手を
引っ込める。


俺はすぐにその手を、蛇口を捻って水を出して冷やしてやる。
リカは泣きべそをかいている、
おそらく、俺のマネをして手を入れたのだろう、
なんだかその顔がおかしくて、つい笑ってしまう、


手は少し赤くなっているが、大したことはなさそうだ。


「大丈夫だよ、冷やしたからすぐ直るよ」


俺が笑顔で言うと、リカも安心したのか笑みをもらした。


そのことで、俺自身の緊張もほぐれた、
リカの裸の姿も気にならなくなる。


浴槽に水を入れてうめる。
それから彼女を浴槽に入れようとしたが、ひと苦労だった。
手を入れて熱い思いをしたこともあるし、
生まれて初めての風呂に入るのが怖いみたいだった。


それに、彼女の重い体を抱えて浴槽に入れなければいけない。
あきらめて、シャワーですますことにする、


風呂場に、黄色いアヒルのおもちゃがあった、
姉の子供にあげようと思い買ったものだが、
そのままになっていたのだ。
それを洗面器のお湯に浮かべてやると、
リカはそれを手で触って遊び始めた。


その隙にシャワーのお湯を体に掛けてやる。
夢中になってアヒルで遊んでいるの見ると、
本当にまだ赤ん坊なのだと思ってしまう。


次にボディソープをスポンジに落として
泡立てると、それで体を後ろから洗ってやる。
背中をまんべなく洗ってやり、スポンジを前に
まわして洗おうとした時、
ぐにゃりと柔らかい乳房に手が触れてしまい、
あわてて手を引っ込める、
心臓が高鳴る・・・。


リカは気にもとめずアヒルで遊んでいる。


頭を強く振って気を取り直す、
ここにいるのは赤ん坊なのだ、たとえ、大人並みの
大きさのお尻や乳房を持っていようとも。

前にまわり、手足を義務的に洗いだす。
わき腹を洗うと、くすぐったいのか、
身をよじって笑い出した。


それで多少気が楽になると、後は彼女の体のすみずみまで
洗ってやる。
しかし、女性の大事な部分となると、さすがに
抵抗があるので、シャワーを掛けてやるだけですませる。


体全体にシャワーを掛けた後、リカの肌に触れて見ると、
少し冷えてきているようだ、
やはり、お湯に浸かって温めてやるしかない、
リカを浴槽のへりにつかまらせると、
俺は浴槽のお湯の中に入ると、リカの体を
抱え込むとぐっと力を入れて持ち上げる。


リカは、怖いのか俺に強くしがみついて来る。


裸かのリカに抱きつかれた俺は内心ドキドキもの
だったが、何とかリカをかかえて浴槽に入れる。


浴槽もただでさえ狭いのに、ふたりだとぎゅうぎゅうだ。


おもちゃのアヒルを浴槽に浮かべてやる。
不安そうな顔をしていたリカもすぐにアヒルで遊び出す。


彼女の濡れた髪を手で撫でてやる。
温まってきたところで、またリカを持ち上げて浴槽から出すと、
髪を洗ってやることにする。


シャンプーをたっぷりと髪に振り掛けると
ごしごしと強く洗ってやる、
それが気持ち良いのか、リカはなにやら
満足したような声をもらす。
途中、シャンプーが目に入って泣き声を上げる、
あわてて、洗面器の水で目を洗ってやる、
シャンプーハットを買ってこないと。


終わると、またふたりで浴槽に浸かる。
リカはお風呂が気に入ったのか、俺につかまりながら、
うっとりと目を閉じている。


ようやく、風呂から上がりバスタオルで体を
拭いてやると、リカは裸のまま、とことこと、
這って浴室から出て行く。