Dark blueの絵日記

ハロプロ関連の記事が主。後は将棋と猫を少々

Motto

朝日が差してきて、裕子は目が覚めた。
首を回して見ると、同じ布団の中に若い男が
寝ていた、正樹だった。
裕子が寝顔を見ていると、正樹が目を覚ました。


裕子に気がついて正樹は、がばっと飛び起きた、
あわてて布団から出ると、座りなおして裕子に
頭を下げた。
「・・・昨夜はすみませんでした!」

その様子がおかしくて裕子は笑った。
「ほんま、あんたはおかしな子やわ、
あんたはいくつなの?」

「18歳になったばっかりです」
「18って、まだ子供やないの」
「そんなことないです!もう大人です!」

裕子は笑って、
「ほんまや、昨夜はうちを抱いて子供やないことを
証明したんやな」


正樹は頭は茶髪だけど、背格好は170ぐらいで
ほっそりとした普通の男の子に見えた。
正樹が聞いてくる、


「裕ちゃんは、いくつなの?今、彼氏とか
いるんですか」
「女に年を聴くもんやないよ、今は彼氏は
おらへんよ」

「今はってことは、前はいたわけなんだ」
「そりゃあ、女が23にもなれば過去に
男のひとりやふたりはおらんこともないけど」


「ふ〜ん、裕ちゃんは23歳なんだ」
「あっ!!」

裕子は気がついて部屋の中を見回して、
カレンダーを見た。
今日は、1997年の6月19日だということを
思い出した。


「あ〜!またひとつ年を取ったやないの、
今日はうちの誕生日やないの」
「そうなんだ、誕生日おめでとう!」
「ありがとぉ〜」


「実は俺、今日東京へ帰らないといけないんだ、
でも、それまで何かプレゼントを買う時間はあるよ」
「そんなことええんよ、つい昨日出会ったばかりや
ないの」


「・・・俺、裕ちゃんとは今日限りなんてしたくないんだ、
また必ず大阪に来るから、また会って欲しいんだ」
「実はね、うちも近いうちに東京へ行くんよ」

正樹はそれを聴いて嬉しそうな声を上げた、
「本当なの!待ってるから絶対会おう!
それで、何の用で東京に来るの?」
「それは、内緒や・・・」

裕子は、オーデションの最終審査を受けに行くとは
まだ言い出せなかった。