Dark blueの絵日記

ハロプロ関連の記事が主。後は将棋と猫を少々

潜在


「やはり、鏡に映る自分が嫌いなのね。なぜなの?
こんなに可愛いのに、もっと自信を持ちなさいよ」


美貴は首を振って、
「自分でもよくわからないわ。自分が大好きで自分が
一番可愛いと思ってる亜弥ちゃんには理解出来ない
でしょうけど・・・」
そう言うと美貴は亜弥を見た、

「もちろん、私も松浦亜弥に違いないから、自分大好き、
自分が一番可愛いと信じてるわ、当たり前じゃない」
「こんなこと誰にも言ったことなかった、亜弥ちゃんにも
言えなかったのに」


亜弥はうなずいて、
「でも、私には言えた。あなたの知ってる親友の亜弥には
話せなくても別の世界から来た、私松浦亜弥には話せるのね。
私にすべて話して。もしあなたが松浦を呪ってるにしろ、
そうじゃないにしろ、あなたの力になるわ」
「私は絶対に亜弥ちゃんを呪ったりはしないわ、
だいいち、理由がまったく無いわ」
「呪ってる本人も、その自覚が無いのよ。心の奥深いところの、
潜在意識で呪いを送ってるのよ。
あなたは鏡が嫌い。でも亜弥は鏡が大好きなところなんかも
性格が真逆なところもあると思うわ。
でも二人は親友同士。あなたは、亜弥を愛してると思う?」


「愛してるかどうか、わからないわ。でも理解しあってると
思うわ。確かに私は人と協調性が無いと思うわ、
冷めた目で見てしまう、亜弥ちゃんはそんな私を理解して
くれてると思うし、私も同じ。お互い信頼関係を保って
いるはずよ」


「あなたは、雪は嫌い?」
「ええ?なんのことを言ってるの・・・」
「あなたの生まれた所を言ってるの。冬になると
何メートルも雪が降るって言ってたことがあるわね、
その口ぶりはあまり雪が好きとは思えなかったわ」

「・・・雪はあまり好きじゃないわ」

「あなたは、そんな大雪の降る土地から逃れて都会に出て
行きたかった。それも遠くの東京に行きたいと思った」

「・・・・」


「そして、アイドルになり有名になりたくてオーデションを
受けた。でも結果は落ちてしまったけれど、運良く
ソロ歌手としてデビュー出来て順調に伸びていたのに、
ある日突然ユニットの一員に組み入れられてその他大勢の
一人でしかなくなり、そしてソロ歌手として華やかに脚光を
浴びている亜弥を羨み、いつしか、心の奥底の潜在意識で
亜弥を呪うようになってしまう。
と、言うのはどうかしら・・・」


「呆れて物も言えないわ。とんだお笑いぐさよ」


美貴は一笑に付した。