Dark blueの絵日記

ハロプロ関連の記事が主。後は将棋と猫を少々

腿焼き


さゆはワインを飲んでいる私に、


「どう?美味しいかしら」
「ええ。少し甘口で美味しいですね。きっとこのワインは
すごく良い物なんでしょうね」
「そうよ。気に入ってよかった」


やがて、昼食も終わり給仕の者が片付けに来た時
さゆが言った、
「そうだ、夕食は何が食べたいかしら、なんでもリクエス
していいのよ」
「いや、結構です」
「そんなこと言わないで、肉でも魚でも何でも言ってみて」
少し考えて、
「じゃあ、お言葉に甘えて鶏の腿焼きをお願いします」
「わかったわ。夕食を楽しみにしていて」


昔、小さい頃に一度だけ食べた腿焼きの美味しさに
まるで天にも昇るような気持ちだったのを思い出していた。


さゆは食後のお茶を運ばせて、私にもカップに入れて
進める。
ひと口飲むと、とても良い香りがした。


「良い香りでしょ。ジャスミンティーよ」
「本当にそうですね」
「毎日飲むと体が芳しくなると教えられたの」


体を芳しくする意味は何だろうと私は思った。


お茶を飲み終わると、さゆは鏡台に向かい髪を
梳かし始めた。
その後、鏡の中の自分をじっと見つめていたが、
急に振り返ると、私を見て言う、


「私、可愛いと思う?」
「・・・可愛いですよ」
「本当に?本当にそう思ってくれるの」
「本当にそう思いますよ」


さゆはいかにも嬉しそうな笑顔で、
「ありがとう。とっても嬉しいわ」


さゆは立ち上がりソファーでくつろいでいた私の隣に
腰を降ろした。

「さあ、これからお勉強の時間よ」
「お勉強?」



聖少女 4