Dark blueの絵日記

ハロプロ関連の記事が主。後は将棋と猫を少々

小六


現在の長浜城は、1983年に天守閣が復元されて
いますが、天正3年(1575)秀吉が築城当時の
長浜城はどんなものだったのかは、よくわかって
いないようです。

しかし、初めて城持ち大名になった秀吉が築城した
ものだけに、翌年から築城された安土城には
及ばないものの、さぞかし力を入れて築城したものと
想像されます。



夜になり麻里と忍猿タカシは動き出した。
外堀から城内の様子をうかがう。
外庭にはかがり火が焚かれ、時おり松明を手にした
兵士が巡回をしている。

麻里はタカシを残して城内に忍び込むことにする、
何とか身振り手振りで、タカシにここで待っているように
伝える、ようやくタカシはキィッとうなづく。
今夜は城内の様子を探るだけのつもりだった。


麻里は近くの林から切り出した、長い竹ざお
持ってくると、堀に浮かべる。
これぐらいの堀は麻里の驚異的な跳躍力で軽く、
飛び越えられるのだが、着地した音を警備の兵士に
聴かれるとまずいので、堀を渡ることにする。


麻里は、浮かべた竹ざおの上にふわりと降りると
なんなく竹の上をすいすいと歩いていく・・・。

向こう岸に着くと、先にかぎ爪のついた縄を投げて
城塁の屋根にひっかけて上っていき、城内に入った。


秀吉と女房のおねが住んでいる思われる本丸らしい
建物に見当をつけて、屋根に上がると天窓から
中にもぐり込む、体の小さい麻里には容易なことだ。
天井の梁の上を音も無く進んでいく。
時おり、節穴から下の様子をうかがう。


女の声が聴こえる、見ると布団が敷かれ女の子が
寝ていて側で子守唄を口ずさむ女がいた、おねのようだ、
寝ているのは、辻希美に違いない。


麻里はうなづくと、今夜はこれで引き上げることにした。


梁の上を移動していると、下から男の声が聴こえる、
覗いてみると、二人の侍が話している、ひとりは
羽柴秀吉で、もうひとりは蜂須賀小六正勝だった。