Dark blueの絵日記

ハロプロ関連の記事が主。後は将棋と猫を少々

「タカシ」

麻里は被弾した脚を紐できつく縛ると、すぐに
走り出した、しかし、負傷したせいで思うように
走れない、


後方に何人もの足音が迫ってくるのが聴こえる、
秀吉子飼いの忍者たちのようだ、

前方に黒々と森が見える、あそこに逃げ込めばなんとかなる、


しかしあと一息と言う所で麻里は敵の忍者集団に
囲まれてしまう、


尋常なら敵が何人いようと怖くはないのだが、今は脚を
銃弾で撃ちぬかれ負傷して、麻里は絶体絶命の危機に
追い込まれた、

敵はじりじりと囲みを狭めて迫ってくる、


「もう我々から逃れられない、観念して降参すれば
命だけは助けてやる・・・」


「やけに体が小さいヤツだな、まさか子供じゃないだろうな」


「いや、子供とは思えぬ、くノ一にちがいない」


敵の忍者は口々に言いながら油断なく包囲の輪を狭めてくる、


その時だった、何か気配を感じた敵の忍者が振り向くと、
何かが飛びついて来た!


仰天した敵が刀を振り回してそれを避けながら、辺りを
見回してみると、何匹もの生き物らしきものが一斉に敵の
忍者に襲いかかってくる、


「キィッーーー!!!!」


それは、猿の群れだった。

突然の猿の群れの襲撃に敵の忍者たちは狼狽して、
囲みを解いて四方に飛び散った。



一匹の猿が麻里の側に駆け寄ってきた、


「タカシ!」


タカシが麻里の危機を見て猿の群れを引き連れて
救援に駆けつけてきてくれたのだ。


麻里とタカシはなんとか森の中に逃げ込んだ。



翌日、麻里は長浜城下の旅籠に潜んでいた。
下手に山に隠れるより人にまぎれていた方が安全
なのだ。 麻里は髪を降ろし忍者装束を脱ぎ、着物を
着てその当時の娘。の格好をしていた。


そうやって亜依やサスケの来るのを待つことにした。
脚の傷でまだ2、3日はまとも動けそうもない。


翌日、ようやく長浜城下に加護亜依とサスケの二人が
到着した。


二人は、にぎやかな長浜城下の町を麻里を捜して歩いた。
城下は、信長の経済政策の楽市楽座によって、市場があちこち
に立ち活気をおびていた。


しばらく歩いていると、亜依は肩をぽんと叩かれて
振り返った。


そこには、髪を降ろし着物を着た麻里が立っていた。