私はまだ20歳で学生だった。
目の前のさゆみという女性の年齢は、よくわからないが、
18歳前後に見えた。
胸の開いた足首まである薄いピンク色の部屋着を着ていて、
胸の辺りまである黒い髪。その大きな瞳で見つめられると
ドキドキするような女性だった。
私の役目はこのさゆみという女性をこの先一ヶ月間
世話をすることだった。
でも、なぜ女性の世話をするのに男の自分が選ばれたのか、
疑問に感じていた。
「写真で見たとおりの人ね。すごい気に入ったわ。
これからよろしくね」
なるほどと納得した。写真を見て自分は選ばれたのだ。
「素敵ね。すごいイケメンなのね、女の人にもてるでしょうね」
私は頭をかいたが、自分の容姿は自覚していた。
子供の頃から、その甘いマスクをもてはやされていた。
私は部屋を見回した。
部屋は女性一人が住むには十分過ぎるくらいの広さを保っていた。
居間、寝室、食堂、どの部屋も豪華な作りだった。
キッチンは無くて、階下で食事を作るようだった。
朝8時にやって来て夜8時に帰るまでこの部屋で
この若い女性、さゆみの世話しながら相手をして
時間を過ごす事になるのだ。
この女性の素性はあまり気にならなかった、自分には
関係ない事だと思っていた。
そして、この部屋で起こる事やさゆみの事は、絶対に
外に漏らしてはいけないと堅く口止めされていた。