小鳩が神子と一緒に暮らすようになって一年が過ぎていた。
月曜日の朝、小鳩は眼を覚ました。
いつもは一緒の布団で寝ている神子はすでに起きていて、
キッチンで朝食を作っている。
昨夜は久しぶりの神子とのメイクラブで燃えたので、
まだ体の芯の残り火が熱い。
神子と同棲を始めた頃は毎日のように愛し合ったけど、
一年も立つと、飽きてくるとは言わないけれど、
最近は一週間、二週間とお久になっていたのだけど。
「朝ごはん出来たよー」
神子の声で小鳩は起き上がる。
神子は悪魔だけど、作る料理は美味かった。関係ないか。
朝食は和食で、海苔と卵がついている。
卵は昨夜消耗したエネルギーを回復させる効果がある。
「あっ時間だ、早く出ないと」
小鳩はちゃちゃっと化粧をすませる。
鏡の自分の顔を見て、
「あっ!また顔にシミが出来ている。女も三十路近いと
これだからやだよね。ねぇ神子シミを取る魔法は無いの?」
「そんなのあるわけないじゃない。シミを取るには
規則正しい生活を心掛けるしかないの」
「はいはい。おいらは不規則な生活送っとります」
昨夜は飲み会で夜遅くなり、そのまま神子の寝てる
布団にもぐり込み、抱き着いている内にもよおしてきて
神子が求められたら絶対に断らないのをいい事に
メイクラブしたのだけど。
「じゃあ、行ってきます~」
いつも、小鳩が先に出勤する。
「いってらっしゃい。お仕事頑張ってね」
そしていつものようにお出掛けのキスをチュッとして
家を出て行く。
そんな幸せの日常に浸りきっていて、
神子との永遠の別れが迫って来ている事に
小鳩は露ほども知らなった。
つづく。