Dark blueの絵日記

ハロプロ関連の記事が主。後は将棋と猫を少々

悪魔との契約   完結編 

猫は悪魔


小鳩は部屋のドアを開けて中に入った。
ずっと考え事をしていて鍵が開いてるのさえ意識の外だった。

灯りを点けようとして、部屋の中に何かが居る事に気がついた。
暗闇に光る眼で、またあの黒猫が来ていると思った。

「またあんたなの、いったいどこから入って来るの?」

ニャア~と猫は初めて鳴いた。
「もう帰りなさい。でないと追い出すよ」


「猫をいじめないで」

その声に思わず振り向くと、灯りが点いて明るくなる。

神子が立っていた。眼鏡を掛けている。

私の一つだけの願いは、「あなたと付き合いたい」
あの時の神子だった。

 

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「神子!」
飛びつくようにしがみ付いて力いっぱい抱きついた。
神子も小鳩を強く抱きしめた。
涙が溢れてくる。

二人は抱き合ったまま倒れ込んだ。
自然に唇が重なる。

ようやく唇が離れると神子は、
「突然いなくなって本当にごめんなさい。
一日で帰れると思ったのに・・・」

小鳩は強く首を振った。
もう会えないかと思った神子とまた会えた。
それだけで幸せだった。

神子は起き上がると、
「お腹が空いたでしょう。来る時美味しい物を
いっぱい買って来たの。すぐ作るわ」

小鳩は今日は朝から何も食べていなかった事に気がつく。
一日中気が張っていて食べたいと思っていなかったのに、
急に空腹を感じる。

「何が食べたい?」

「カレーライスが食べたい!」

「カレー?そんなものでいいの?」

「神子の作るカレーライスが一番好き!」

神子は笑って、
「わかった。飛び切り美味しいカレーを作るわ」

小鳩に玉ねぎやナスなどの野菜の下ごしらえをまかせ、
缶入りのカレー粉と小麦粉を炒める。

そしてきざんだ玉ねぎをあめ色になるまで炒める。

冷蔵庫から肉を出してきて、
「ステーキ用に美味しい和牛を買ってきたのに
カレーに入れるのがもったいないわね」

一口大の角切りにすると、カレー粉をまぶし炒める。
そしてカレー粉、肉と野菜を一緒にして、
ハーブやスパイスをたっぷり入れて煮込んでいると
良い香りがただよってくる。

その間に付け合わせ用のハンバーグを焼く。
ポテトやニンジンもボイルしたのを軽く焼く。

小鳩を振り返って、
「オクラも入れようか?」

「絶対入れて!」

シーザーサラダを作り、花ラッキョウの瓶を出す。

神子特製の本格カレーライスが完成する。

「わあー!美味しそう!!」
小鳩が嬉しそうな声を上げたが、

でも神子は、
「カレーは少し置いておいてからの方が美味しくなるの。
先にお風呂に入ろう」
「うん・・・」

神子は、小鳩の着ているものに手を伸ばして脱がせる。

「事務所に来たってアヤカが話してくれたわ」
「ごめんなさい。神子を捜すとしたらあそこしか
思いつかなくて」

「謝る事無いわ。黙っていなくなった私が悪いのだから」
下着だけになった小鳩を立たせて下着を脱がせた。

小鳩は何だか恥ずかしくなり頬が染まるのを感じる。
こんな積極的な神子は初めてだった。

神子は自分も脱いで裸になると小鳩の手を取って浴室を行く。

小鳩は、全身をくまなく洗ってくれる神子に体の芯が
熱くなってくるのを感じる。

お風呂から上がると、神子は小鳩をバスタオルに包むと
念入りに拭いてくれる。

小鳩は空腹でたまらなくなっていて、せがむように
「早く、カレーを食べようよ~」

しかし、神子はバスタオル巻いただけの小鳩を抱くと、
小鳩の瞳をじっと見詰めて言う、

「その前に私は小鳩を食べたいな」

思わず小鳩は神子の顔を見詰めた。
こんな事を言い出す神子は初めてだった。

「いいよ。私を食べて」

お尻の下に手をやって抱き上げられる。
小鳩は思わず神子の首に腕をまいた。

背格好は小鳩と同じくらいなのに力強く小鳩を
お姫様抱っこに抱き上げる。

神子は小鳩を寝室まで運ぶと、ベッドに降ろす。
体に巻いていたバスタオルをぱっと取り去る。

そして上になって唇を重ねてくる。
舌を入れてきて、自在に動かして小鳩の舌を絡め取る。
その舌を強く吸ってくる。
舌が吸い込まれるような感じになる。

それから神子は手を小鳩の乳房に伸ばしてくる。
耳元で囁くように、
「小鳩のお乳が一番好きなの・・・」

そして唇で乳首を咥えて来る。
強く吸いながら歯をあてると少し強く噛んでくる。

小鳩は乳房を神子に食べられているような感覚に襲われて
激しく興奮してきて叫んだ。

「食べて!私のお乳を食べて!」

神子は片腕を下に伸ばしてきて、小鳩の太腿の奥に
手を差し込んでくる。
小鳩はされるがままに太腿を開いて受け入れる。

唇で強く乳首を吸われ、小鳩の下の唇の陰核を指で強く
擦られて、ヴァギナの奥から熱いものが溢れ出してくる。

激しい快感に襲われて体を弓なりに反らせた小鳩は、
絶頂に達して、何度も体をビクビクと痙攣させる。

そして失神したように瞳を閉じ動かなる。

神子はそんな小鳩の髪を優しく撫でていたが、
体を起こすと、

ある事を始める。

自分の口の中を歯で強く噛んで傷つける。
口の中がかなり出血して唇の端から血がしたたり落ちる。

それから小鳩の頬をさすって眼を覚まさせる。
眼を開けた小鳩に唇を重ねる。
そして血を口の中に送り込む。

小鳩は唾液とは違う液体が入って来たので戸惑う。

「飲みなさい」

うなづくと、血の匂いがするその液体ををゴクリと飲み込んだ。

それからしばらく二人は余韻に浸りながら
抱き合いながらまどろむ。


やがて、小鳩は体をパッと起こすと、

「カレーカレー!!早く食べたい!
お腹がすき過ぎて背中とお腹がくっついちゃう!」

笑いながら神子も起き上がり、
二人は手を繋いでダイニングキッチンに向かう。

裸のまま二人はテーブルにつくと、お皿に盛られたカレーライスを
小鳩はむさぼるように口に運ぶ。

「美味しい!こんな美味しいカレーは初めて食べたわ。
この世のものとは思え無いほど美味しい!」

神子を見て、
「だって、悪魔が作ってくれたカレーなんだもの」

神子は笑いながら、付け合わせのハンバーグ、サラダ、
ラッキョウを出してくれる。

食べ終わり、大満足してナプキンで唇のまわりをぬぐうと、
裸のまま食べたので、乳房にカレーが付いてるの気がついた、

すると神子が顔を寄せてきて舌で舐めてきれいにしてくれる。


それから二人はベッドに入り抱き合いながら残り火の余韻に浸る。
これ以上の幸せは無かった。まるで夢のようだった。

寝返りを打ってお互い見つめ合った時、
小鳩はその言葉が出そうになったけれど、飲み込んだ。

『もう、何処にも行かないで』

口から出してしまうと、夢からさめてしまって、
すべてが消え失せそうで、言えなかった。

小鳩は眠りに落ち込みながら、
なぜ、神子は小鳩に自分の血を飲ませたのか、
その意味を考えていたがわからなかった。


翌朝小鳩は目覚めたけど、瞳を開けるのが怖くて
少しの間閉じていた。
もし、神子がいなくなっていたら・・・、
それだけが恐ろしかった。

眼を閉じたまま、そろそろと腕を動かした時、
神子の裸体に触れたので、
飛び上がるほど嬉しかった。

眼を開けて神子の顔を見ると、その安らかな寝顔に、
安心して体を寄せ、その幸せを噛みしめていると、

神子が眼覚めて起き出し、ベッドから降りながら、
「朝ごはん作るね。小鳩はまだ寝てていいよ」

やがてキッチンの方から鍋の音や、まな板で野菜を
きざむ包丁の音が聞こえてくる。

「小鳩~朝ごはん出来たよ~」

テーブルに二人でつき、
小鳩はお味噌汁を飲み、ご飯にオクラ入りの納豆を掛けたのを
ひたする頬張る。

「あのね、小鳩さん」

小鳩は顔を上げた。
「何に?」

「会社には行っているの?」

「もう、二週間以上行っていないけど・・・、
一応最初に体の具合が悪くて行けないと電話したけど」

「それなら、今日から行きなさい」

小鳩は首を振って、
「だって、最初に電話したきりで後は何も連絡してないから
もう、クビになってるよ」

神子は首を振ると、
「大丈夫。解雇すると連絡が来て無いならまだ大丈夫よ。
私が電話して上げるから」

自分のスマホを取り出し、
上司の名前と番号を聴いてから掛ける。

しばらく話していた神子は、スマホを小鳩に渡す。

おずおずと話し始めると、上司は、
「出社出来るなら、今日から出て来なさい」
いつも厳しくてうるさい上司があっさりと言った。

しかし小鳩はスマホを切ると、神子をすがるように見て、
「お願い。今日一日神子と一緒にいたいの。
お願い。明日から必ず出社するから」

神子は小鳩の両腕を優しく握ると、

「まずあなたがしなくてはいけないのは、
早く日常の生活を取ろ戻す事よ」

それから準備を始める。

鏡を見るのが恐ろしい程酷い顔になってるのを、
神子は念入りに化粧をしてくれる。

着て行く洋服を選んでくれる。
その服を身に着ける。

「その服は私も大好きな服よ。とっても可愛いわ」
とハンドバックを持たせてくれる。

玄関に立った小鳩に、

「行ってらっしゃい。
お仕事頑張ってね」

と言って、いつものようにお出掛けのキスを
待つように上向きになる。

キスしようとしたが出来なかった、

堪え切れずに、涙がとめどなく溢れ出し、
神子に抱きつき子供のように大声を上げて泣き出す。

「嫌だよ!嫌嫌、まだ神子と一緒に居たいよ~!」

もう神子とは一生会えない事がわかっていたから。

神子はハンカチを出して拭いてくれる。
すぐにハンカチは涙でぐしょぐしょになる。

「私の事を信じて。今日は戻れないけど、私は必ず
あなたの、小鳩の元に戻って来るわ。約束する」

小鳩は神子の手を強く握りしめて、
「本当に、本当に私の元に戻ってくれるのね」

神子は笑顔でうなづくと、
「私の事を信じて。必ずまた戻ると誓うわ」

「信じるわ!」

さっと神子にキスすると、
小鳩は玄関から出て、後ろを見ずに走って行った。

 

 

 

エピローグに続く。

 

以下は、下のリンクのエピローグをご覧ください。

 

  

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