Dark blueの絵日記

ハロプロ関連の記事が主。後は将棋と猫を少々

りんごその後

葉月 3

 

「今でも抱かれたい。と思っているわ」

りんごはうなずいて、
「そうなんだ。葉月さんの気持ちはよくわかるわ。
でも、葉月さんは可愛いし頭も良いし、世の男共は
見る眼が無いのよ」

「わたし、兄以外の男の人とお付き合いするなんて
とても考えられなかった」

「そうね。イケメンで背が高く、自分の会社を経営してるし
女の人がほっとかないでしょうね。でも欠点と言えば、
少々歳をくってるし、それに女性には手がはやいし」

「その頃、兄に付き合ってる女性がいるのを知りました」
「その彼女って洋子さんの事かな」
「はい。一度二人でいる所を見ました。兄は紹介して
くれました。すごいショックでした」

「わかるわ」

「絶対、洋子さんと兄とは合わないと感じました。
兄にふさわしい人とは思えなかったんです」

「どういうところが?」
「・・・すべてがです」
「全否定なのね」

「わたし嫉妬していたのです。絶対にわたしの方が
兄の事を愛してるはずと思いました。あげくの果てに
洋子さんに会いに行って、兄と別れてくれと頼みに

行く事まで考えました」

 りんごはうなずきながら、

「そこまで思い詰めてたのね」

「でも、よく考えた結果止めました。
わたしは何もわからない子供だったんです。
馬鹿だったんです。
今思うと恥ずかしくなります」

「その、お兄さんの子供まで作ったりんごの事も
さぞ憎らしかった事でしょうね・・・」

葉月はりんごを真っ直ぐ見ると、
「最初は、りんごさんの事を嫉妬していました。
でも、兄がりんごさんの事をよく話してくれて、
それからりんごさんに会って、二人が本当に
愛し合っている事がよくわかりました。
今は、りんごさんの事が好きです」

りんごは葉月を抱きしめて、
「ありがとう。りんごも葉月さんが大好き!」

それからりんごは明に電話をかけた。
「今日は何時頃に帰れるの?わかった八時ね。
葉月さんが来てくれてるの」

葉月を見て、
「今夜は泊まっていくよね」

葉月はうなずいた。

「それじゃあ、今夜は楽しみにしていてね」

そう明に言うとりんごは一度スマホを切って、

また掛け直す。

「あっとしこ!なんだか急にとしこに会いたくなったの、
今から行くからね!」

としこは呆れたように、
「なに馬鹿な事を言ってるの、今日りんごに会って
さっき別れたばかりじゃないの?!」

りんごはかまわずスマホを切ると、出掛ける支度を
しながら、

「葉月さん、明さんが帰って来たら電話をしてね。
あ、いつものようにとしこに電話してもいいよ。
そしたらりんごが出るから」

玄関に見送りにきた葉月にりんごは言った。

「葉月さん。今夜が勝負の夜よ!積年の想いをとげて

明さんに抱かれなさい!りんごが許す!」

 

事の成り行きに戸惑っていた葉月だが、

りんごの言葉に決心したようにうなずいた。

 

りんごはタクシーを飛ばして暗くなったとしこの
マンションに着くと、

出てきたとしこの腕を掴むと、
居間に連れていき、ソファーにとしこを押し倒すと、
逃げないように上からがっちりと、のしかかり抱きしめる。

 

「いつもとしことはほっぺにチューするぐらいだったけど、
今夜は違うよ。子供が出来るぐらい熱いキスをしてやる」
としこは顔を近づけるりんごに、

「だから、キスじゃあ子供は出来ないのよ!
それにもし出来るとしても、りんごは今身重だから
出来るはず無いよ」

りんごは首を振ると、
「おあいにく様、子供が出来るのはとしこの方よ」
「はあぁぁぁぁぁ・・・・」


「としこが好き。大好きよ!」
としこの唇に自分の唇を強く押し付ける。

二人の熱いキスは長く続き、しまいにはりんごは
舌を侵入させてとしこの舌をからめとる。
最初は抵抗してたとしこも目をギュッと閉じてりんごの
なすがままになる。

ようやく長く続いたキスをやめ唇を離すと、
としこは放心したようにうつろな瞳でりんごを見ている。

その時としこのスマホが鳴り出した。

飛び起きたりんごが出ると、
葉月に明と替わるように言う。
出た明に、

「葉月さんはあなたの事が好きなの。大好きなの。
あなたに抱かれたいといままで願っていたの。

好きになったら兄妹とか関係無いわ。
りんごが許すから、葉月さんを抱いてやるのが
あなたの役目よ!」

 

スマホを切るととしこの元へ行って、

「今ね、あちらではずっとお互い愛し合ってた兄妹が

ついに想いを遂げて結ばれるところなの。

それを想像しただけで体が熱くなるわ。

こちらもりんごの想いをとげてとしこと結ばれるの。
さあ、ベッドへ行きましょう」

ベッドでお互いを見詰め合った。

としこが、
「・・・わたしね、りんごの子供を産みたい」

りんごは笑顔でうなずいた。

「きっと可愛い女の子が生まれるわ」


終わり。

 

 

りんご「ほら、赤ちゃんが動いてるよ。触ってみて」

としこ「え~ホント?」

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としこ「わからないよ~」

りんご「もっとギュッと強く触ってみて!」

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