Dark blueの絵日記

ハロプロ関連の記事が主。後は将棋と猫を少々

悪魔の子供

小鳩とかみこはお風呂から上がると手を繋いで
寝室に行くと、抱き合いながらベッドに倒れこむ。

上になったかみこは小鳩にキスしてくる。
かみこは小鳩の口を唇でこじ開けながら
舌をねじ込んできて、小鳩の舌を絡めとると
強く吸ってくる。

ようやく、舌を離すと、
「ママ、大好き!」

小鳩はかみこを見上げながら

「そのママは止めなさいよ~」

「だってママなんだもの」

確かにママには違いないのだけど、
かみこは小鳩が産んだのだから。


神子が小鳩の元から去ってから
一年が経っていた。

かみこは十八歳ぐらいの少女に成長していた。


小鳩は自分の胎内に赤ちゃんが出来ているのを
感じた時、嬉しさと同時に産まれるまで普通に
長い時間をかけて産まれてくるものだと思い、
決心していたのだけど、


しかし、それは人間の場合だけで、悪魔の子供は
違っていた。
結局赤ん坊が小鳩の胎内にいたのは、一週間ほどに
過ぎなかった。

陣痛らしきものが始まって、初産だけに不安になり
産科に入院したのだけど、

入院した次の日には、赤ちゃんはあっけなく
スポンっと産まれた。

看護師は産まれた赤ちゃんを抱きかかえながら
眼を丸くして小鳩に見せながら、

「こんな赤ちゃんは初めてです!!
笑いながら産まれてくるなんて・・・!?」

普通の赤ちゃんは、生まれ落ちると同時に
オギャアオギャアと泣くものだけど、
その子は、キャアキャアといかにも生まれたのが
嬉しそうに笑いながらこの世に出て来たのだから。

小鳩は、赤ちゃんの加速度的な成長の速さに
驚き、今にも喋り出しそうな勢いに脅威を感じ、
このままでは医者や看護師に驚異の目で
見られるのを恐れ、

生まれた次の日の朝には、半ば強引に赤ん坊を
抱いて医院を逃げるように退院した。

 

自分のマンションに帰り赤ん坊をベッドに寝かしながら
しみじみと赤ちゃんを見詰めた。

さすがに神子の血を受け継いで生まれた子供だと
感心するしかなかった。

そしてそのあまりも速く生まれたためか、小鳩の
受け入れる体の準備が追いつかなかったのか、
お乳を飲ませようにもお乳がまったく出ないのだ。

赤ちゃんが強く吸っても一滴も出て来ない。
それはもしやと思い粉ミルクと哺乳瓶を用意して
いたのでことなきを得た。

赤ん坊の名前は、考えるまでもなかった。

「かみこ」とつけた。

 

結局のところ、赤ん坊のかみこの幼児期は
わずか一ヶ月足らずのうちに終わった。

文字通り眼で見える速さでかみこは成長した。
極端に言えば、初めてハイハイをして部屋の端まで
行って、帰りは歩き出す始末だった。

一月後、かみこはすでに十五六歳の少女と言えるほどに
成長した。

その姿は、あの悪魔の神子の姿そのものだった。

そのかみこを見て、小鳩は涙が止まらなかった。

神子は約束を守って小鳩の元に自分の分身そのものと

なって戻って来てくれたのだ。