Dark blueの絵日記

ハロプロ関連の記事が主。後は将棋と猫を少々

永久の愛 2


梨華とあゆみはソファーで体を寄せ合って、
しばらくふたりだけの時間を過ごした。
やがてポツンとあゆみが言った。


「私たち、こうしてるとさっきの話しじゃないけど、まるで
カップルみたいね。
なんで梨華ちゃん私のためにそこまでするの、
私は梨華ちゃんのなんなの・・・?」


梨華はしばらくあゆみを見つめていたが、


「私たちは親友よ。でも私にとって柴ちゃんはただの
親友じゃないわ、
今まで私には本当の友達がいなかったの。
そりゃあ、メンバーの仲間たちは友達と言えるかもしれない、
でも、心から何でも話せる友達はいなかったわ。
それが柴ちゃんと出会って、この人だって思ったの。
何でもわかり合える本当の友達に巡り会ったと思ったわ」

「・・・そうなんだ」


柴ちゃんは、私にとって親友以上の大事な存在よ」
梨華は顔を上げてあゆみの目を見つめて、
「私は柴ちゃん、あゆみが好き。
他の誰にも渡したくないわ、もしかしたらあゆみを
愛しているのかもしれない」


あゆみは思わず梨華を見て、
梨華ちゃん、人を愛するってどういう事かわかっているの
そんな軽々しく言うものじゃないわ」
「違う〜!軽々しくなんか言ってない!私は、
あゆみを愛してるわ!誓ってもいいわ!」


梨華ちゃん、あなたはこれまで本当の意味で人を
愛したことがあるの」
梨華は一瞬言葉につまったが、
「あるわよ!、お父さんお母さん、家族を愛してるわ!」
「そっか、私を愛してるってのは、家族を愛してるのと、
同じなのか」
「違う違う!!それとは違う!私があゆみを愛してると
言うのは、それとは違う・・・」


「どう違うと言うの?」
梨華はうつむいてしまう、
「それは・・・」
「ほらご覧なさい、梨華ちゃんは何もわかってない、
私達は女の子同士なのよ」


「違う!そんな変な意味で言ってるんじゃないわ、
カップルなんかとは違う意味で私はあゆみを
愛してるのよ!口ではよく言えないけど」
あゆみは首を振って、
梨華ちゃんはわかってないし、何も知らないわ」


きっと顔を上げて梨華はあゆみを睨んだ。
「じゃあ、柴ちゃんはどうなの、人を愛した事があるの!
真剣に愛した事があるの!!」


あゆみは黙って梨華を見つめるだけだった、


「ほらご覧なさい、言えないじゃない、柴ちゃんだって
人を真剣に愛した事なんて、無いくせに・・・」
突然、あゆみの瞳からひと筋の涙が流れた。
あゆみの涙に梨華はおろおろして、
柴ちゃん・・・ごめんなさい、私って、なんて、
バカなこと言っちゃって、本当にごめんなさい」
梨華も泣きそうな顔になって、あゆみにすり寄った。


あゆみは涙を手で拭うと首を振った、
「いいの、梨華ちゃんのせいじゃないわ」


あゆみは、梨華の手を取ると話し始めた。



「この事は誰にも言ってなかったことなの、
2年ほど前の事よ、ある男性のことを好きになったの、
彼の方から声を掛けて来たの、それから付き合うように
なって、急速に好きになっていったわ。
自分でも驚くほどその彼にのめり込んでいったの」


あゆみの告白に梨華は息をつめて聞き入った。


「本当に愛してたのよ。彼のためならなにもかも捨てても
いいと思ったわ。彼のためなら歌も仲間も捨ててもいいと
思えるほど愛してたの。
その彼も私を愛してくれてると思い込んでいたわ。
でも、違っていたの。その彼は私をから離れて他の女の人の
所に行ってしまったの。
私は捨てられたの。
私とは遊びだったと言って、彼は行ってしまったわ」
柴ちゃん・・・」


「絶望して何にも考えられなかった。
死にたいと思ったわ・・・。
風邪だと言ってお仕事をお休みして何日も家に
閉じこもっていたの。
ふとテレビをつけた時、仲間のメンバーがたくさん映って
いたわ。梨華ちゃんもいた。楽しそうに歌っていたわ。
それで思ったの、私には仲間と歌が残ってるって。
そう気がついて、私は立ち直れる事が出来たの」


突然梨華が大声を上げて泣き出した、


柴ちゃん!ごめんなさい〜柴ちゃんの気持ちを
なんにも知らないで、偉そうな事を言ったりして
私はなんてバカなの〜」
泣きながら謝る梨華をあゆみは抱きしめた。


ようやく梨華が泣き止むとあゆみは、
「私は梨華から愛される資格なんて無いのよ、
梨華のように純粋に人を愛することなんて出来ないの」
梨華は顔を上げてあゆみを見ると、ゆっくりと
顔を近づけてくる、あゆみは眼を閉じた。
互いの唇が重なり合う。
唇を離すと梨華は、


「いいの。私は世界中の誰よりもあゆみを愛してる、
そしてあゆみはそんな私の愛を受け止めてくれてる。
そうでしょ?」
あゆみはうなずいた。


梨華ちゃんを愛してるかどうか、今の私には
わからない。
でも、私にとって梨華ちゃんはかけがえの無い
とっても大切な存在なの」


梨華は満足そうにあゆみの胸に顔をつけた。
あゆみは時計を見た、午前3時近くなっていた。


「さあ、もう寝ないと明日は早いわ。映画が始まるのは
12時よ」
「そうだね。早く寝ないと」
梨華は瞳を輝かして言った。


二人は一緒のベッドに入った。
「ま、どうせ梨華ちゃんは映画の途中で寝てしまうの
でしょうけどね」
「も〜、柴ちゃんたら意地悪なことを言わないで、
そんなこと絶対無いって〜」
梨華はそう言ってあゆみにぴったりと体を寄せる。