Dark blueの絵日記

ハロプロ関連の記事が主。後は将棋と猫を少々

さゆと萌 その後 三

観覧車


さゆと萌、そして沙絵。それに麻美の四人はさゆの提案で
お台場の大観覧車に乗る事になった。

 

麻美は、
「道重さんは観覧車のような高い所に上がる乗物とかは
苦手だったのではないですか?」

さゆは沙絵を抱きながらうなずいて、
「そうだけど、皆と一緒なら怖くないわ。ねぇ萌ママ」
「うん。観覧車は大好きよ。さゆママ」

『萌ママ』『さゆママ』というのは、さゆと萌の関係がさゆの
妊娠と出産で大きく変わった事で二人の呼び名を考えて、
さゆを『さゆママ』萌を『萌ママ』と呼ぶ事にしたのだった。

さゆママと呼ぶのは自然だけど、萌は父親的存在とは言え、
パパと呼ぶのは女の子の萌には不釣り合いなのだ。
だからさゆは考えたあげく「萌ママ」と呼ぶ事にした。

ガタンと音を立てて大観覧車は動き出した。
ゆっくりと上がって行く。

さゆは沙絵を抱き萌と並んで座り、
麻美は向かいに腰かけた。

麻美はさゆがそわそわと落ち着かない様子を見て、
観覧車が苦手なだけでは無くて、これから起こる
ある事に対して少し緊張してるせいだと思った。

さゆは沙絵を萌を任せた。沙絵は素直に萌の膝に
移り、萌は沙絵を抱いた。

そしてさゆはバックに手をかけた。

萌は来る時手を繋いでいて、さゆの指のリングの指輪に
気がついていた。普段さゆママは指輪をつけないから
珍しいなあと思った。

さゆはバックからジュエリーケースを取り出した。
そして麻美を見た。
麻美はうなずいて萌に近づいて沙絵を受け取る。

さゆはケースを示して萌に、開けてと言った。
萌は受け取るとケースを開けた。
中には金色のリングの指輪が入っていた。

「わあ~綺麗な指輪」
萌は指輪を見て、そしてさゆの左手の指輪を見た。

「萌ママ。受け取ってくれる・・・」

萌は嬉しそうにさゆを見て、
「わたしに?ありがとう」

萌が指輪に手をかけようとした時、
麻美が声をかけた。

「萌!その指輪の意味を考えなさい」

萌は、麻美の真剣な表情を見てそれから
さゆママの顔を見たら、視線を下に落としている。

萌は交互に麻美とさゆの顔を見て考えていたが、

「もしかして、さゆママは
わたしにプロポーズしているの・・・」


続く。